ツキウタ。＆ツキプロ [短編集]

コーヒー / 八重樫剣介 ページ7

『剣がブラックコーヒーって意外だよね』





剣｢えっ｣





ココアを飲みながら思ったことを口にすると、


コーヒーを飲む剣がいきなり何だという目でこっちを見る。






『みかんとハンバーグは“八重樫っぽいな”ってなるけどブラックコーヒーと数学は“八重樫っぽいな”とはならない』





剣｢そう言うお前は予想通りだよな〜？ココアと甘いもの、だっけ｣





『私にはそんな苦いの飲めない』






甘いものが大好きな私からすると



ブラックコーヒーなんて絶対に飲めない。




…飲んだことないけど。








剣｢ふーん…｣







考え込むようにコーヒーを見つめる剣。






すると何かをひらめいたのか、



ギラついた目で私を見る。






嫌な予感。





こういうときは大体、ろくなことがないからだ。









剣｢甘かったらいいんだ？｣






『そりゃね』







剣｢なら、ココアよりも甘くしてやるよ｣








こいつは何を言っているんだ。




砂糖でも入れるのだろうか。






てか、砂糖入れたらブラックじゃなくない？









冷めた目で剣を見ながら適当なことを考えていると、




コーヒーを一口、口に含む剣。







何だ、結局自分で飲むんじゃん。








そう思った瞬間。









『…!?』








唇に触れる熱から口に広がるコーヒーの苦味。









中々離れない唇に息が苦しくなり、



空気を吸おうと口を開く。









すると、待ってましたと言わんばかりに



剣の舌が入ってきて私の舌に絡めてくる。







しまった。



気づいた時にはもう遅く、剣の罠にはまっていた。









『ん……はぁっ…』








少しすると離れた唇。








剣｢…もっと、いいよな？｣









その言葉に頷くとふわりと宙に浮く体。






お姫様抱っこで運ばれ、下ろされたのはベッドの上。






スイッチの入った目で押し倒され、再び重なる唇。









初めてのブラックコーヒーは甘い甘い、キスの味。








(剣｢コーヒー、甘かっただろ？｣)


(『馬鹿…!!』)


(剣｢嫌じゃなかったくせに｣)


(『…っ』)





────


八重樫フィーバー(？)です。
めっちゃ剣くん多い。

ほんと同じようなのばっかりで申し訳ない…
こんなに甘々ばっかりでいいんだろうか…
ほのぼのとかギャグとか入れようかな…

あ、次は望書きたいなーと思ってます。
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作者(※読んで欲しいです)→←甘い時間 / 藤村衛

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