ツキウタ。＆ツキプロ [短編集]

癒して / 七瀬望 ページ32

キッチンで夕食の準備をしていると、後ろから抱きつかれる。





『どしたの、』





望｢んー…｣





これは何かあったな。


そう悟って料理する手を止め、彼を正面から抱きしめ直す。





『…望は、一生懸命でかっこいいよ』





望｢…っ｣





『望のこと見てたら私も元気になれる』





望｢…ん｣






いつも馬鹿みたいに元気な望がこんなに大人しくなることは珍しい。



相当なことがあったんだと思う。






『無理しすぎないで、いつでも頼ってね？』





望｢…ありがと｣






よしよしと頭を撫でれば目を細めて表情が少し柔らかくなる。





それがなんだか可愛くて、背伸びしてちゅっとキスをしてみた。





自分からしたくせに恥ずかしくなって何となく目をそらせば、





望｢A｣





甘い声が耳元に降り、頬に手を添えられて望の方を向かされる。






最近はピンでとめていることが多かった前髪も今は下ろしていて、表情もどこか大人っぽくて。






そのONとOFFの切り替えは、わざとなのか無意識なのか。







『の、ぞむ…』







名前を呼んだその時、少し伸びた前髪から覗く瞳に熱が過ぎた気がした。







望｢癒して、ほしいな？｣









小さく頷けば耳にちゅっと吸いつかれ、吐息混じりのリップ音が響いた。





可愛らしい音をたてながら耳を撫でる唇がくすぐったくて笑い声を漏らせば、いきなりザラリとした感覚に。





舌が耳を這い、私の口からは笑い声にかわって甘い声が漏れた。





しばらく耳を這ったあと、そっと唇にキスが降る。






そっと触れ合っていた唇は段々と熱を帯びて、甘さが募っていく。






すぐに息が苦しくなって口を開けば絡み合う熱にまた。







ぼーっとする思考の中で、首筋から腰にかけて指先が降りてくるのを感じて。






望｢…すき、｣



『っ、』



望｢だいすき｣



『ん、私も…』







甘ったるい声が耳元で響いて力が抜けた私。





望に抱き抱えられ、ベッドの上に下ろされた。







いつもと違う、色気を纏った彼にドキドキ。


────

学年末テストが始まりまして。

色々あって落ち込む望を夢主が慰める、という話にしようと思ってたのに4時起きのテンションで続きを書いたらいつの間にかこんなことに((

あ、関係ないけどグリココラボのやつ、
各グループの集合と望と剣くん揃いました(´ω｀)

入試は3月です✌✌

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