ツキウタ。＆ツキプロ [短編集]

バレンタイン / Growth ページ28

・衛藤昂輝・


バレンタイン当日。


頑張って作ったチョコを渡す前に逆チョコを貰ってしまった。


しかも私のよりはるかに完成度が高い。


さすが衛藤昂輝…料理上手め…

自分が作ったものは少し歪だし…なんて渡すのを少しためらっていると、


昂｢お前からは、ないのか？｣


期待のこもった目で見られる。

こうなったら渡すしかない。


『…どーぞ』


昂｢ありがとう｣


そんなに嬉しそうに笑ってくれるならいいか、なんて。






・桜庭涼太・


涼太くんの部屋にはチョコの山。


きっと、彼は甘いものが好きだし優しいから全部食べる。


でもこんなにあったら私のはいらないよね…


そう思い、渡すつもりだったチョコをカバンにしまおうとする。


涼｢…ねえ、俺、Aからのチョコが欲しい｣


いつの間に現れたのか、手首を掴んで引き寄せられて、


涼｢まあ、チョコの代わりにAでもいいけど｣


二人の距離はゼロになる。






・八重樫剣介・


小さい頃から一緒にいて、向こうは義理だと思ってるだろうけど、剣介のだけ、少し凝ってたりする。


今年もあげようと思ったけど、チョコを渡されている現場を目撃してしまった。


悲しくなって自分で食べてしまおうとチョコを1粒摘めば、突然誰かに手首を掴まれ、食べられた。


驚いて見上げればそこに居たのは剣介で。


剣｢ん、うまい｣


『なんで勝手に…!!』


剣｢え？だってそれ、｣


“俺宛のだろ？”


…私の想いはとっくにバレていたらしい。






・藤村衛・


『衛さん、チョコどーぞ』


衛｢え、俺に！？｣


目を輝かせて箱を受け取る衛さん。


例えるなら、宝物を見つけた少年のような表情。


『…かわいい』


そんなことを言ってしまえば、

怪げな笑みを浮かべた彼に押し倒される。


衛｢…かっこいいって、言われたいな？｣


耳元で低く囁かれ、大人な彼と溶けそうなくらい甘い時間を。

バレンタイン / SOARA→←ｻｸｼｬ(´▽｀)

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