バレンタイン / 大原空 ページ19
『あれ、空だけ?』
バレンタイン、
隣のクラスの空、モリ、ソウと帰る約束をしていたけど
教室に行くといたのは空だけ。
空「ソウもモリも朝から告白フィーバーで休み時間は常に女子からお呼び出し」
ムスッとした顔で答える空。
『なるほど…さすがだね』
空「なんで!なんで俺はお呼び出しされないの!?」
『でもいっぱいチョコ持ってるじゃん』
空「違うの!!これ全部友チョコ!!本命が欲しいー!」
沢山の小さい箱が入った袋を持って歩き出す空について行く。
『…ねえ、空』
空「ん?」
『2人だし、ちょっと寄り道していこうよ』
着いたのは近くの公園。
今日あったことやソウとモリの告白の話、国語の授業で寝そうになったことなどたくさん話していると、もう暗くなってきていた。
帰ろうか、なんて言うからその前に。
『あ、これ、空に』
空「おお!手作り?美味そう!サンキュー!」
『それ、空のだけちょっと違うの』
空「え?何で?」
さすがに察してくれるだろうと思ったけど無理らしい。
『私はさ、空のことかっこいいと思うよ』
空「うえ!?」
まさかそんなことを言われると思っていなかったのか、変な声が出る空。
『ソウやモリよりも、かっこいい』
言わないだけで空のことが好きな人なんて周りに何人もいる。
だから今日、言うしかないと思った。
空「な、何でいきなりそんなこと…」
『空が好き、だから』
少しの沈黙。
空「……え、え、えええええ!?」
空の反応が良すぎてこっちが急に恥ずかしくなる。
『じゃあ、それだけだから!!』
走り出そうとすると
空「待って」
さっきまでとは違う表情。
顔は赤いけど、何かを決心したようなキリッとした表情。
空「俺も、Aが好きです」
『え…』
今度は私が驚く番だった。
空「俺と、付き合ってください」
『はい…!』
いつもと違う空にドキドキしながら頷くとぎゅっと抱きしめられる。
空「A…っ!!」
嬉しそうな声で私を呼ぶ空に答えるように背中を回す。
空「モリとかソウが好きなのかと思ってたからめちゃくちゃ嬉しい…!」
顔が見たくて覗き込もうとすると、
空「今はダメ!!」
さらに強く抱きしめられるが、しばらくすると腕が緩められる。
そっと体温が離れ空を見ると、愛おしそうにこちらを見ていた。
徐々に距離が近づいて、
夕日に照らされた二人の影が重なる。
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支葵美乃 - 今日、初めて読ませていただきました!とても面白かったです。と言うか、作者様は神ですかね…。読んでる最中、軽く50回は悶えましたね…。このような作品を産み出して下さり、マジで有難うございます! (2018年5月30日 22時) (レス) id: 48e064e18b (このIDを非表示/違反報告)
ユリ - るーな。さん» 合格おめでとうございます(*´∀`)私も受験生だったので・・・受かる自信ほとんど無かったんですけど(笑)しばらくはのんびりできますね〜。これからも頑張ってください。 (2018年3月24日 17時) (レス) id: 74019e0afd (このIDを非表示/違反報告)
ゆぴぴ - 合格おめでとうございます!私も受験生だったのでほんとに共感しちゃいました笑これからも頑張ってください! (2018年3月24日 1時) (レス) id: ea9fff37a9 (このIDを非表示/違反報告)
彩夏 - 合格おめでとうございます。これからも愛読します。 (2018年3月23日 17時) (レス) id: cae6157d0a (このIDを非表示/違反報告)
桜姫(プロフ) - 合格おめでとうございます!!!楽しみにしています。頑張ってください! (2018年3月23日 16時) (レス) id: dcbb5b14a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:るーな。 | 作成日時:2018年1月27日 8時