【オリジナル】フラワーショップ【合作】

カサブランカ【丗霄】 ページ2

彼はいつも
何かあると私にこの花をくれる……

付き合い始めてから
誕生日の時、ケンカしたとき、記念日の時、

プロポーズの時

結婚記念日の時も……

わたしはこの花のことを綺麗なユリだなぁとしか思っていなかった……

彼は最近仕事で疲れているみたいだ……

わたしは生まれたばかりの子供の世話で忙しく

最近彼とは話せていない

彼は仕事に朝早くから行って

夜遅くに帰ってくる

会話があるのは朝ごはんの時と夕ご飯を出すときだけ……

昔の頃に比べると
全然話せなくなったし

思っていたよりも楽しい結婚生活でもなかった

彼は時々家に帰ってない時もある

それでも彼と話したくて
帰ってくるまでまっていたりする……


そんなある日のことだった……

わたしは流石に仕事時間が長すぎると感じて
彼に聞いてみた……

『最近仕事長いけど……大丈夫？』

｢大丈夫だよ｣

『でも！こんなに長いのおかしいんじゃない？』

｢お前には関係ないだろ｣

『でも心配なんだけど……』

｢大丈夫だっていってんだろ！！？しつこいんだよ！｣

彼を怒らせてしまった……

それからというもの

彼とは全然話せなかった

彼と仲直りができないでいたある日

彼が数日も家を離れていた

流石におかしいと思ったわたしは彼の会社に連絡した

しかし彼は会社にも来てないのだという

彼の携帯に何度も何度も電話をかける

しかしその電話はすべて

圏外か電源がおちている恐れがある

と言われるだけだった

わたしは彼のことを必死に探した

思い当たるところをすべて



でもどこにもいなかった……


一番最後に

わたしはある山にいった

結婚してから一緒に登った近くの山

登る人は少なく

それでも頂上の景色は綺麗だった

いつかまたここに来ようね


2人で誓った場所



わたしは必死に登った


そこにあったのは


手紙といつも彼がくれる花と彼の……


わたしは手紙をよみながら泣き崩れた……



それから数年


子供が大きくなった


ふとある日子供が彼とわたしの写真をみて


｢お父さんってどんな人なの？｣


そう訪ねてきた

『とても素敵なひとだよ』

わたしはそう答えた時


ふとあの時の手紙の内容を思い出した


Aへ

ごめん……
何も言えなくって
ごめんをいえなくて
だからこの花を送ります
君はきっとこの花のことを何も知らないだろうとおもう
この花はカサブランカ、
いつも君に送るには理由があるんだ

この花の花言葉は



【雄大な愛】

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