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「もうすぐ始まるね。」
阿部「ほんとだ！こっちこっち！」
阿部ちゃんの後に続いてベランダに出る。
阿部「椅子とかないから立ち見になっちゃうけど…」
「ううん。ありがとう。」
2人で手すりにもたれ掛かって花火が上がる方面を見つめる。
暫くすると、花火が上がり始めた。
「わぁ綺麗〜」
阿部「始まったね〜」
近いわけではないけど、綺麗に見える花火。
こうやってゆっくり見れるのは久々かもしれない。
「来年は浴衣着ようかな〜」
阿部「いいね。Aの浴衣見たい〜」
「撮影で見てるくない？」
阿部「撮影とプライベートでは変わってくるくない？」
「そんなもん？」
阿部「そんなもん。」
目線は花火のまま他愛のない話をした。
阿部「…あのさ…」
「んー？」
阿部「好き。」
花火も終盤に差し掛かった頃、阿部ちゃんがこちらを向いて言った。
「ふふっありがとう。私も阿部ちゃんのこと好き。」
阿部「亮平」
「ん？」
阿部「プライベートでは亮平って呼んで欲しい。」
「わかった。亮平、大好き。」
阿部「あぁ〜駄目だぁ〜」
「顔赤っ」
阿部「見ないで〜」
そう言うとぎゅーっと抱きしめられる。
「幸せ。」
心地良い温もりに素直に言葉が出る。
阿部「俺も幸せ。」
亮平の腕の中で私は顔をあげると目が合う。
フィナーレの花火が上がる中、どちらともなく唇が近づいて…私達はキスをした。
阿部「クランクイン明日だよね。」
「うん。」
阿部「大変だろうけど頑張って。」
「ありがとう。連絡してもいい？」
阿部「もちろん！俺も連絡するね。」
花火が終わり余韻に浸ったあと、亮平が送ってくれた。
寂しくて帰りたくないななんて思ったけど明日からドラマの撮影。帰るしかない。
「ありがとう。」
阿部「こちらこそありがとう。おやすみ。」
「おやすみ。」
亮平が送ってくれて、私のマンションの前でわかれる。
もう少し一緒にいたかったな。なんて思いながら部屋までの道のりを歩いた。
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作者名：雪 | 作成日時：2024年3月25日 8時
