すのうーまん⑬ (ページ16)

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［深澤 side］

佐久間「お前、良かったの？Aと2人っきりじゃなくて。」

佐久間と2人、アトラクションに向かっているとそんな事を言われる。

深澤「あぁ。いいんだよ。」

佐久間「でも今日、当たって砕ける予定だったんだろ？」

深澤「当たって砕けるは言うなよ(笑)」

この旅行を計画し始めたとき、佐久間の言う通り2人っきりのタイミングをつくって告白するつもりだった。
でも、Aの阿部ちゃんへの気持ちが行動にでるようになって…俺はタイミングを逃したことに気づいてしまった。今の距離感はよろしくないけど、両思いの2人を邪魔したくはない。
元の距離感に戻るかそれ以上に仲良くなってくれるのならと、2人っきりになるタイミングを阿部ちゃんに譲ることにした。

賢い阿部ちゃんならきっと察して告白なり話し合いなりするはず。

深澤「俺はAが幸せならそれでいいんだ。」

佐久間「ふっか…」

Aが幸せになれるのなら相手は誰でもいい。本気で好きだからこそ、そう思えた。

佐久間「お前ってやつは〜！」

深澤「ちょ！ちょ！ちょ！」

俺より身長が低いくせに、思いっきりプロレス技をかけて頭をゴシゴシしてくる佐久間。

佐久間「ジェットコースターで叫ぶか。」

深澤「だな。」

今日一の声を出してやると謎の意気んで、後向きと書かれた列に並んだ。