◉ ページ38
［阿部 side］
阿部「失礼します。」
ノックをして滝沢くんの部屋の中に入る。
滝沢「どうした？」
阿部「雪加さんの件で来ました。」
滝沢「おぉ。」
阿部「SNSを見ていたんです。そしたら雪加さんの行動と矛盾する投稿がありました。」
印刷してきたものを見せる。
阿部「この日、雪加さんは僕達と一緒にスタジオからホールまで移動したんです。道が混んでいて会場に入れたのは収録時間ギリギリでした。でも投稿の写真は僕達がまだ会場入りする前のものなんです。」
写真に映り込んでる時計を指差す。
阿部「ぱっと見、雪加さんのアカウントにも見えますが、こういうミスが結構あるんです。シンガポールの写真もおそらくネットから取ってきたものです。」
元の画像が載っているサイトを見せる。
滝沢「お前凄いな(笑)安心しろ。俺も彼女がやったとは思ってないから開示請求の準備をしてもらってるところだ。」
阿部「…よかった〜」
滝沢「彼女の事、好きなのかー？(笑)」
好き…だと思う。
最初は超真面目な子ぐらいにしか思っていた。でも頑張る姿や俺たちに慣れて見せてくれるようになった表情を見ていたらいつの間にか好きになっていた。
泣いてる姿を見て守りたいと思うようになっていた。
滝沢「ははっその顔は好きなやつだな…ありがとう彼女を信じてくれて。彼女はウチには必要な人材だ。追い出すつもりはないよ。」
阿部「そうですか。」
その言葉を聞いて安心した。
滝沢「ただ彼女には暫く留学してもらうことにした。」
阿部「えっ？留学？」
滝沢「彼女の個人情報が漏れてるんだよ。だからこの件が落ち着くには時間がかかると思ってジャニーさんと決めた。」
阿部「いつまでですか？」
Aちゃんに暫く会うことはできないのか？
滝沢「来年の8月までだ。」
阿部「…そうですか。」
滝沢「また必ずウチのチームに戻すから。」
阿部「…分かりました。」
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作者名：雪 | 作成日時：2023年5月29日 14時
