頭空っぽで逝きてぇな (ページ11)

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はじめてページ11

外は暗くて昼間よりもずっと涼しかった。

路地裏は街灯がほとんど無い。
でも月明かりで照らされ、十分な明るさだった

『トガちゃん着いてきてくれてありがとう。
鉄パイプとか手頃なの探そっか』

「はいAちゃん一緒に探しましょう！」

トガちゃんと一緒に路地裏を歩きながら探す

『あっ！イイもんみっけ！』

おお〜素晴らしい。新品に近いバールだった
釘を抜く方がひん曲がっている。

多分使う時にひん曲がったんだろうな
使った時絶対ショックだわあんなの。

ブンブンと両手で掴み振り回す。
ちょいと重いけどバールの中では軽い方だな。
多分ポンコツだろこのバール

『トガちゃん！あったよ………武…』

武器。そう言おうとしたらトガちゃんが男の人に絡まれている。

なんて話しているのか分からない。でも絶対マシじゃないのは分かる

ゆっくり、ゆっくり近づく。

ブン＿＿＿

ゴキッ＿＿

男の首横をめがけてバールを振った。
ドサッと膝から崩れ落ちる。

男の首はありえない……というか折れた。

あ、殺しちゃった。

…………いや別に知らん奴だし、別に私敵だしさ

どうしよこの死体。

「……Aちゃん……」

『＿＿＿ごめん、殺しt「かっこよかったです！Aちゃん！」えぇ……』

「かっこよかった！すっごくかっこよかったです！」

そう言ってトガちゃんは嬉しそうにぴょんぴょんと跳ねる。可愛い

「私が殺そうと思ったんですがAちゃんには負けちゃいました〜」

えへへとトガちゃんは笑った。
ｳﾞｩﾝ、か"わ"い"い"

『そっか、でもこの人どうする？個性で溶かす？』

「んーそうですね。溶かしましょう」

溶かすなら毒打ち込まないとな。

スッと死体に手を伸ばし肌に触れ、皮膚から内部に毒を放つ。
指は見えないが注射器のようにして打つ。

少量で毒を打ち込む。
多量だと周りに影響が渡る。
だから少量で打ち込む。
そうすると五分程で溶ける

少しずつ、少しずつ。

溶け切るまでそれを眺める。

1分後は体がドロドロとして見るだけでも溶けていると分かる。肌は薄く紫色になる

3分後はもう半分以上溶けている。
溶ける時はシュウシュウと炭酸水のような音が聞こえる。

5分後はもうなかった。地面には何かがあったと見られる痕跡だけ。

この毒は匂いはしない。無色無臭なんだっけ
とりあえず、私のはじめての犯罪は

バールで首を折り、毒で溶かした、か。