貴方と一緒にいきましょう【荼毘】 (ページ6)

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39話ページ6

少し早足だったのが走る形になる。

色んな事があって忘れてたけど、荼毘さんは居るだろうか。

世間の話やお互いの事は話さなかった

けれど、安心して

離れてしまうのが淋しくて

それに暇さえあれば、私は荼毘さんのことを考えていたような気がする。

いつも会っていた路地裏を見る。

荼毘さんの姿はなかった。

いつも、必ずではないが居たはずだ。

最後に会っていた時、何か言っていた。

「そろそろサヨナラだな。」

サヨナラ

さよなら

もう会えない？？そんな急に？

いや私の勘違いかもしれない。淡い期待で路地裏に進む。

普通なら薄暗い路地裏にはない植物が見えた。

それに近寄ってしゃがみこむと、色彩が暗めの緑と青紫の花が見えた。

それと、メッセージカードと言うより小さなメモ用紙が貼ってあった。

黒羽 A と丁寧な字で私の名前が書かれている。

私宛のものだ。多分だけど荼毘さんが書いてくれた。

花の匂いを嗅いでみるとユーカリというか、爽やかなシャープな匂いがした。

『なんだろうこの花……』

見た事ない花だ。ハーブの仲間みたいな感じがする。

とりあえず暗くなる前に帰ることにした。