貴方と一緒にいきましょう【荼毘】 (ページ17)

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50話ページ17

「A＿＿ん、Aちゃん。」

誰かが私を呼んでいる。

誰だろう、と見渡すと周りは、あの病院。
両親が、シロちゃんが亡くなってしまった病院のホーム。

「Aちゃん」

霧のかかった正面から、懐かしく落ちついた綺麗な声が聞こえ凝視する。

白くて長い髪に海のような深い蒼い目

何度も何度も会いたいと願った、愛おしくて堪らないシロちゃんが居た。

『シロ、ちゃん？』

今、目の前にいるのに信じられなくて、会いたくて堪らなかったはずなのに怖くなって、声が震えている。

「なぁに？ Aちゃん」

嬉しそうにふにゃりと笑う彼女は本物で、そこに居ることを確かめたくなり、抱きついた。

私の体は今と変わらない姿で、彼女は死んでしまった時と同じ体。

小さくて可愛い彼女の体を、優しく包み込んだ。

温もりは感じなかった。夢なんだな、と一瞬で悟る。

それでも言いたい事がある。
私が見せた都合のいい夢でもいいから、届けばいいから

『シロちゃん、私……わたしね、』

「ん〜？」

どうしたの？、と優しい声が問う。

『ごめんね、ごめんなさ＿ごめんなさい』

じわりと目が熱くなり、ポロと雫が落ちる

『助けれるはずなのにしなかった……お父さんとお母さんは無理でも、助けることはできたのに、ごめんなさい。ごめんなさい』

ごめんなさい、と繰り返しボロボロと涙を零す。

いつの間にか私の体は縮んで、11歳の頃の身長になっていた。