雨音が響いていますね (ページ12)

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2人は… ページ12

浦田side

｢浦田くん、あのさ、｣

『はい？』

Aちゃんが帰ってしまい、Aちゃんの大学の友人だという宮川さんと飲むことになった。

｢Aのこと、好きでしょ｣

『は？』

宮川さんはバッサリ物を言う人で、Aちゃんとは違うタイプだと感じた。

『俺はただAの相談に乗ってただけで…』

｢私の目は誤魔化せない｣

『はい、好きです、Aちゃんのこと』

この人はAに一生懸命なんだろう。俺よりも先に相談に乗っていたのだろう。

｢一目惚れ？｣

『まぁ…』

俺はいつも素直になれない。Aに関してもそうだ。Aと同じで好きになった相手の恋を応援してしまう。

｢浦田くんのことも応援したいけど、Aのことの方が応援したいと思ってる。｣

『俺もAちゃんのこと応援してるんで、大丈夫っす』

なんで俺は

｢好きな人の幸せは自分の幸せってこと？｣

好きで好きでたまらない相手の恋を

『はい』

応援してるんだろう。

｢Aと一緒だね｣

『そう…っすね』

｢これからもAの相談に乗ってやってね｣

少なくとも今の俺は

『…はい。』

純粋にAちゃんに恋をしていた。

｢ん。良かった、良い子で。｣

『え？』

｢狼くんで、Aの初めてを奪おうとするような子だったらどうしようかと…｣

『宮川さんって謎に残念っすよね…』

｢黙らっしゃい｣