黒と白の念子 Ⅱ (ページ21)

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71話ページ21

カ/A)シャッセ、フロー、フロー、ベルゼ、クワトル……

カルエゴ)指運びが違う、教えた通りに動かせバカ者

と、カルエゴくんはイルマ様を指導し

A)テンポが速い！アレンジを加えるんじゃない！相手に合わせる音を出してください！！はい！もう一度！！

と、手を叩きながらプルソンくんの指導をする私。

カルエゴ)曲を奏でるなどまだ許さん。基礎の基礎から、シャッセ、フロー、ベルゼ、クワトル、基本の音階を体に叩き込め！

A)安心してください。指が千切れようと喉が焼けようと、君たちの指導をすると決めたからには私は決して貴方たちを投げ出しませんから

と、言う事で6時間ぶっ通しで練習をさせる。

カルエゴ)少しは身についたか、起きろ次のレッスンだ

A)君たちは曲の理解が圧倒的に足りてません。

カルエゴ)まぁ貴様らの選んだ曲は少々厄介ではあるがな

問題児が選んだ曲。
それは、リリス・カーペット
かつて魔界に君臨した絶世の美女にして魅惑の女悪魔リリス、彼女の歩いた道はリリスを求めて争った男たちの骸で埋まりリリス・カーペットと呼ばれた。

カルエゴ)この曲はリリスへの賛美と憧憬彼女を手に入れようとする愚かな男たちの曲、つまりテーマは愛だ

ソイ)ングッフ………いや、すみませんほんとでもカルエゴ先生の口から愛って単語が出たことが凄い違和感でちょっと腹筋が耐えられなかいたたたた

カルエゴくんの愛という言葉に笑ったプルソンくんは、
ケルベロスに踏まれる。

かくいう私は、愛だ。と言うカルエゴくんの声を録音し、オペラに送っていた。

オペラ〈カルエゴくんの口から愛が出るとは……爆笑〉

A)ですって。

カルエゴ)貴様は何送ってんだ！！いいか！私だって好きで語りたいワケではないわ！いいか、ダンスは物語の演者であり音楽は世界なのだ。A先輩合わせろ

A)合わせてくださいだろ

カルエゴ)合わせてくださいっ(怒)

そう言われ、私はプルソンくんからトランペットを借りると、カルエゴくんとリリス・カーペットを弾いた。