黒と白の念子 Ⅱ (ページ12)

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62話ページ12

リーフ)いや、正直収穫できる奴が本当にいると思わなくてほぼノリでできてるから私…

入/リード)ノリ……

リーフ)だってそもそも開花の条件が……

と、条件を説明しははっと笑うリーフ。

本当……

A)ははっ(真顔)

入間)表情筋ピクリともしてませんよ！！Aさん！！

リーフ)でも、この手順に込められた想いは実にシンプル。目先の利益にとらわれず、他者を思いやり、理不尽を楽しみ自らの野心に従って飽きずに挑み続けられる何事も諦めないそんな…最も悪魔らしくない悪魔に出会いたい

まあ、悪魔ではないですからね。イルマ様は。

そしてリーフは最後の仕上げと言い浮くと、
魔界では決して見る事のないこの花を
と言い咲かせたのは……

見た事のある桜であった。

ごめんよ。リーフ。ごめんよ。デルキラ。
もう既に、皆見てるんだ。
この、人間界にしかない桜という花を。

デルキラ『綺麗だろ！これ！魔界にはない人間界の花だってよ！人間界はいいよな！楽しい物が沢山あるんだ！なぁAも一緒にさ＿＿＿＿＿』

何言ってんだコイツは。って思ってたけど、
今なら分かるかもしれない。
あの時言ったデルキラの言葉と気持ちが。

サリバン)収穫祭を作った方はこの花をみんなに見せたかったのかもね〜

と、サリバン様は私をチラ見して言うので、
私はふいっと視線を逸らした。

ダリ)では、A先生の歌声と共に表彰式へ！

と言うダリ先生の言葉に、
生徒も教師もサリバン様でさえも驚いた顔して私を見る。

A)頼まれましたので、仕事の一環として歌います。

そう言って私は祭壇の端へ立つと、スゥと息を吸い歌を歌う

A)走り続けてここまで来たね息は切れ泥まみれ立ち止まっても誰も責めたりしないのに〜それでも君は頂きに立った〜今君の目に映るものは何？同じ景色見たいよ君と共におめでとう、おめでとう今夜だけせめて僕の隣羽根を休めて目覚めたらまた君は羽ばたくいつまでも僕は君の背を追う桜吹雪清らかに舞うおめでとう、おめでとう

ひと通り歌い終えると拍手が鳴り響く。
私は一礼をし祭壇を降りた。

サリバン)相変わらずAちゃんの歌声は天下一品だね〜

A)褒めても何もでませんよ

入間)あのっ！すご、凄く綺麗でした！！

キラキラした目で褒めてくださるイルマ様。

A)……何が欲しいですか？何でも買って差し上げますよ

サリバン)Aちゃん！僕は？