222話 ページ22
こんな事見れば分かるのに、わざわざ口にして言って
理事長のSDだからってカルエゴ先生の先輩だからって
そんな冷たい言い方しなくてもっ
もう少し優しく言ってくれても良いじゃない！
と、思った。
でも……これも、甘えだ……
カルエゴ先生の言葉も、Aさんの言葉も、
一見冷たくみえるけど、実際は私の事を思って言ってくれてる……
それなのに優しくなんて……
A)まぁ、新任でまだバビルスの教師としての仕事がどのようなモノか分かってなかったのは当たり前の事ですので悔やんでも仕方ありません。そもそも、新任で完璧にやれって言う方が無理な話ですからね。
モモノキ)えっ……
もっと冷たく説教でもされるのでは無いかと思っていた。
カルエゴ先生の言っていた言葉に便乗して肩をもって言われるんじゃないかと……
だから、まさか、私の立場での考えでの優しい言葉に、
少しびっくりした。
A)カルエゴくんは不器用なんです。目付き悪くて言い方キツくて不器用。貴方のような臆病な方からしたら怖いでしょうに、それなのに彼の教育に文句一つ言わず懸命に仕事をし食らいついて行こうとするその姿は臆病者でもか弱い女性でもなく強く勇ましく見えますよ。
心が弱っている今、こんな優しい言葉をかけられたら泣く…
ダメよ……バビルスの教師たるもの、泣くなっ
これ以上ナメられてはダメ……
泣くなっ泣くなっ
でもっ情けな……
A)つきましては、カルエゴくんへのイタズ……名誉挽回でもしませんか？
モモノキ)……はぃ？
今イタズラって言いかけ……
A)紹介します
バラム)あっ、だ、大丈夫ですか？
背後からはーはーと息を上げ声をかけてきたのは、
カルエゴ先生と同じく大きくて怖いヒトだった
モモノキ)ひぇっ！
バラム)あっあっ驚かせてすみません！えっと僕もバビルスの教師なんですけど……
A)空想生物学のバラム・シチロウくんです
バラム)A先輩に来いと呼ばれて慌てて来たんだけど、何かあったんですか？A先輩にいじめられたとかですか？もし、そうだとしたら申し訳ありませんが僕は助けられないです
A)カルエゴくんなら兎も角、私が理由もなしにいじめなどするわけがないでしょう
バラム)カルエゴくんも理由なしにいじめはしないですよ
A)…………それもそうですね
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作者名：モンブラン | 作成日時：2023年8月24日 16時
