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「もしもしー」
ん?
誰だろう
ぶつけた頭を触ると

ざらりとする手触り
頭の後ろまで何かがぐるりと巻かれている。
なんだこれ包帯?


そういえば鬼は?
疑問に思い
頭をあげると



そこには綺麗な女の人が立っていた

「意識はあるようですね」
「えっ、まあはい」
戸惑いながら返事をする


「あの鬼は?」
「あとあの隊士は無事ですが?」
「あなたがこれを巻いてくれたんですか?」


「まあまあ落ち着いて」
余裕のある佇まいをみて
いきなり質問攻めをしすぎたと恥じる


「あの鬼は私が倒しました」
「それに貴方の言う隊士も無事ですよ」

「そうですか」
良かった
ほっとして胸をなでおろす


でもあの鬼を倒せるだなんて、この人は何者?


「ずいぶんきょとんとした顔をしてらっしゃいますね」
しまった顔に出てしまっていた
「私は蟲柱、胡蝶しのぶです」

柱!?


まさか柱だなんて
でも柱ならあの鬼を倒せても納得できる


「あ、あの助けて頂いてありがとうございます」
「この包帯も巻いてくらしたんですよね?」


「はい、あまりにも出血がひどかったので」

やはり巻いてくだっさったのか
柱の手を使わせて申し訳ない

「ほ、本当にありがとうございます!」
「いえいえ」
「では私はもう行かなくてはならないので」

そう蟲柱様が行こうとしたとき
突然ピタリと止まった

「あと言い忘れてましたが、あなたのその傷だともう下山したほうがいいですよー」
下山か
確かにこの傷じゃ山を下りたほうがいい気もする
でもさすがにこのまま下山は
「でも私…」

「私は薬学に精通してるんですよ」
うぅ
やんわりと釘を刺してきた


「それくらいの傷だったら藤の花の家紋の家にいったほうがいいと思いますよ」

「わかりました」

こんなに言われてしまったら
もう下山するしかない

「聡明な判断だと思いますよ」
にこやかに笑う蟲柱様を見ながら


私は渋々山を下りた

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作者名:うめすき x他1人 | 作成日時:2020年6月27日 21時

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