第拾参話 ページ15
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『こんにちは、冨岡様。』
義勇 「……(ぺこり)」
冨岡様はお辞儀だけしてくれた。
やはり柱、擦れ違うだけでその強さ伝わってくる。
勿論他の柱の方や、師範もだけど。
義勇 「おい、緑川。」
私は冨岡様に呼び止められ、なんだろうと、振り返る
と私のメモ帳を持っていた。
義勇 「落とした。
…ん?」
冨岡様はペラペラと私のメモを見る。
恥ずかしいから本当は見られたくないのだけれど、無
理矢理奪うのは良くない…
なんて思いながらもじもじしていると、小さな声です
まない、と言うのが聞こえた。
義勇 「これは何の記録だ?」
『皆さんと話している中で、自分のためになる事や大
切な事を記録しています。
人に見せるような大した物ではないので、全て走り書
きで…』
もっと丁寧に書いておけばよかったと、今少しだけ後
悔した。
義勇 「これからも書くといい。」
ふっ、と微笑んだ後メモ帳を返してくれた冨岡様は、
向きを変えて行ってしまった。
今、微笑んだ…?
あの表情が硬い冨岡様も微笑むのだな。←失礼
新しい発見をした。
そして私はまた忘れないようにメモをとったのだっ
た。
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作者名:びすこ | 作成日時:2020年4月30日 2時