あんちゃん～1人の青年とその家族の物語～ (ページ8)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:3,923 hit

4 ～凌6歳～ページ8

.

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

凌がリビングから部屋に戻る。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

凌は6歳。

[ﾋﾟｺﾋﾟｺﾋﾟｺﾋﾟｺ]

ファミコンに夢中になる凌。

目がキラキラしている。

背後からそーっと。

8ミリビデオカメラを持った父と

笑顔の母が凌に近づく。

父「ただいまー！！」

『わぁお！！ビックリしたぁー！

なに撮ってんのぉー？』

父「お姉ちゃん達は？」

『遊びに行ったよ！！』

父「おい、凌。ゲームやめろ。」

『えー。待って～こいつ倒してからぁ〜』

凌は必死に敵と戦う。

父「凌。お前、弟欲しいって言ったよな。

できるかもしれないぞ。」

『…………！！！！！！！！！

え！？今なんて言った！？！？』

ゲームをほかって立ち上がり

母を可愛いお目目で見つめる凌。

『え！？いつ産まれるの！？』

母「順調に行けばお正月かな？」

『名前は！？もう決まったの！？』

母「んもー気が早いわねぇ～

まだ男の子か女の子かも分かんないのに〜」

そういって母は凌を抱きしめる。

『俺！弟がいいんだけどっ！！』

母「うんっ！分かった！

お母さん頑張る！」

そういうと父が

父「これから凌のこと

〝あんちゃん〟って呼ぶか！！」

『・・・？？あんちゃん？？』

父「そうっ！！お兄ちゃんって意味！！

あんちゃん！！」

『あんちゃんかぁー！！！』

嬉しそうににっこりと微笑む。

[ﾃﾝﾃﾚﾚﾝﾚﾝﾃｰﾚﾝﾚｰﾚﾝﾃｰﾚｰﾚｰﾚﾝ]

父が撮るカメラに向かって
凌と母が将来出会うはずの弟に向けて

手を振っている。