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次の日も相変わらず何となく過ごしていた
放課後になっても、部活が無くそのまま帰宅する
こんなに早く帰ること、今まで無かったな…
なんて、改めて思いながら帰宅する
「おかえりや、Aちゃん、」
「おばあちゃんただいま」
割烹着を着たおばあちゃんがにこにこしながら帰りを迎えてくれる
高校で兵庫に来るまでは1年に1回か2回しか会えてなかったのもあり、ちょっと不思議な感覚が未だ取れない
部屋に戻り鞄を置けば何するでもなく横になる
することも無く、ただぼーっと横になればいつの間にか寝ていて、気付けば日も落ちていた
そろそろ台所手伝おうかな。と台所に向かえばおばあちゃんがお茶をしている
「おばあちゃん。何かやることはある?」
「ん、今の所はあらへんなぁ」
お茶飲むかい?と聞かれ大丈夫と断る
一緒に座り何となくテレビを見ていた。
おばあちゃんが湯呑みを持って立ち上がった所で「あらまぁ」と声をあげた
「北さんたら回覧板忘れて帰ってしもたんか…」
「回覧板忘れて?」
「今朝なぁ、家に来たんやけども。ちょっと話しとってなぁ、回覧板持ってって言うたのに忘れたみたいやなぁ」
とちょっと困りながら回覧板を持つ
暇だし、届けるぐらいならいいかな
「それ、届けてくるよ。お隣でしょ?」
「ええの?任せても」
うん。大丈夫だよと回覧板を受け取る
やることも無いし…
「ほんま助かるわ〜」
と言われながら玄関を出る
角にある家だから少しだけ歩くけどそこまで距離もない
表札に北の文字を見つけてインターホンを鳴らす。
直ぐに「はい、北です」と声がして隣の家の桧野です。と言えばすぐ行きますと切られた
直ぐに玄関が開き人が出てくる
よく知った人
「なんや、桧野さんとこのAさんやんか。どないした?」
この人は同じ稲荷崎高校の3年生で、バレー部の主将さんだ
おばあちゃん同士がとても仲が良くて、良く耳にする
「回覧板忘れていたみたいなので、お届けに来ました」
「それはわざわざありがとうな。また長話して婆ちゃん忘れたんやな、ありがとう」
いいえ。と返し挨拶をして家に戻った
ちょっと、何か言いたげだったけど
気にしない事にした
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作者名:ぱーこ | 作成日時:2019年12月2日 16時