11話 ページ17
〜幸side〜
美代子ちゃんと別れてからも鬼を斬り、二日目を終え三日目を終え四日目の夜、今まで見た事がなかった大きな足跡があった
近くの木や地面に血がべっとりと付着している
熊かとも思ったが最終選別の場に熊なんて解き放つだろうか、いやこの足跡は熊じゃない人間のものと似ている、そしてこの大きさ
十中八九鬼だろう
そしてこの血は選別者の誰かがやられてしまったのだろう、一瞬美代子ちゃんではないかと思ったがあの子は私と真反対の東側に進んでいで行った、私が進めたのだ
東側が1番早く日が昇るから大丈夫だろうと少しでも危険が減るように…
そしてこの血はまだ乾ききっていない
鬼も近くにいる筈だ、と思い走り出した
というかそもそも最終選別に使われる鬼は人を２,３人喰った程度の鬼だと言っていなかったか…？
人を２,３人喰った程度でこんなに肥大化する鬼もいるのだろうか、でも鱗滝さんは異能の鬼もいるって言っていたし体の大きさを変えられる異能を持っていたのだろうか
なぜ異能を持つ鬼と持たない鬼がいるのだろうか
人をより多く喰べるとより鬼が強くなると言っていたがまさか人を多量に喰べると強くなる、その過程で異能を獲得したという事か、となると非常にまずくないか
元から体が大きいだけで異能の持たない鬼の可能性もあるが、私の予想どうりになってしまうと私達選別者では到底太刀打ちできないかもしれない
だとしてもその鬼を探して頸を斬らねば
そう思いその後他の鬼を斬りながらずっと探し続けた
五日目も、六日目も
七日目の夜が終わる頃になってもその鬼は見つからなかった
ただ、途中で粉々に割れた厄除の面が落ちていた、これは悪いものから守ってくれると言うから美代子ちゃんに渡したものだった、見つけた途端ゾッとした
どうか美代子ちゃんが無事でいるように、ほかの選別者達も少しでも1人でも多く戻ってくる事を祈りながら七日目の最終日の夜を終えた
┈┈┈
誰もいない
私以外誰も戻ってこなかった一刻経とうと二刻経とうと誰も
ただ生き残ったのが私だけだった事だけは理解した
戻ってきたのが私だけだと知るとこれからの事を説明された
隊士1人に1羽鎹鴉がつくと
説明が終わってから
日輪刀を作る為の鋼、猩々緋砂鉄と猩々緋鉱石を選び
隊服を貰い帰路に着いた
┈┈┈
その後私は後悔することになる
美代子ちゃんに”狐”の”厄除の面”を渡した事
そして
大きな足跡の鬼を見つけられなかった事を
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：朔 | 作成日時：2021年11月28日 21時
