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9話 ページ15

〜幸side〜

あれからただ只管に全集中の呼吸を続けられるように、文字通り死ぬ程鍛えまくった、山を駆け回り、刀を振りまくった、それでも岩は斬れなかった

あの日から二月経った頃

ある日の朝ふといつもより早く目が覚めて、何故だか岩の元へ行かなくてはと思った

刀を持ち岩の前へ行くと颯太と花が端の方で佇んでいて、私は刀を構えて立っていた



”此処だ”と思った時刀を振り下ろした



ハッとしたら岩は斬れいて、2人は嬉しそうに悲しそうに笑っていた

私が話しかける前に…瞬きの間に2人は消えていて私は半年程夢でも幻覚でも見ていたのだろうかとも思ったが

颯太が巻いてくれた筈の包帯は私の手に巻かれているし、花がくれた手拭いは懐に入っている

私はその日、日暮れまで呆然と立ち尽くしていたが、夕餉の時間になっても帰ってこない私を心配して錆兎と義勇が私を呼びに来た

2人は岩が斬れている事に驚いて鱗滝さんを呼びに行った

鱗滝さんが私の元まで来て

鱗「よく頑張ったお前は凄い子だ、最終選別は必ず生きて戻れ儂も錆兎も義勇も真菰もみんな此処で待っている」



今まで一番褒めてくれた、抱き締めてくれた、いっぱい頭を撫でてもらっていたけど抱き締めてくれたのは家族が死んだあの朝の日以来だった

暖かくて嬉しくて

涙が止まらなかった、泣いたのは久しぶりだもう泣かないとあの日決めたのに、今まで泣かなかった分だと言うように涙が止まらなかった、夕餉を食べてる時も止まらなかったものだから流石に皆に心配された…申し訳ない……

┈┈┈┈

後はもう寝るだけだとなった時、鱗滝さんから狐の面を貰った


颯太や花が首から下げていたものと同じだった、厄除の面と言って悪いものから護ってくれると言うらしい

次にある最終選別が2週間後なのでそれ迄今までの鍛錬を繰り返し久しぶりに錆兎達と鍛錬をした

┈┈┈┈

『鱗滝さん、錆兎、義勇、真菰、行ってきます!』

鱗「必ず生きて戻れ」

錆「気をつけてな」

義「此処で皆で待ってるね」

真「姉さん、約束だよ帰ってきたら花冠の作り方を教えてくれるって言ったからね、待ってるね」

『うん、そうだ鱗滝さん颯太と花によろしく伝えておいてくれますか?岩を斬った日から全然姿が見えないんです、では行ってきます!』

┈┈┈┈┈
〜鱗滝side〜

『颯太と花によろしく伝えておいてくれますか?』

なぜ、なぜお前があの子達の名を知っている、もう何年も前に最終選別で亡くなった子の名前を

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作者名: | 作成日時:2021年11月28日 21時

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