ハチミツイロ＿＿Reo (ページ49)

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その夜、二人でダンスに向かう途中

「隼、昨日の話詳しく教えて」

隼「ああ、A先輩の好きな人？」

「やっぱ昼のあの人かな？」

隼「うん、香澄先輩がそう言ってた笑」

「だよね…」

今日の10円のこと隼に話したら

案の定だせえって笑われた。

隼「でも一回告ってフラれてるんでしょ？」

「うん、でもまだ好きっぽい。」

隼「え、聞いたの？笑」

「昨日聞いたよ？隼からLINE来た時に」

隼「すげーなお前笑」

「え、だからわざわざせっかく二人きりの時に言って来たんじゃないの？」

隼「ごめんって笑笑」

そんな話しながら

もう少しでスタジオ着くって時

．

『あははっ、さすがAちゃん笑』＿＿＿＿＿

．

＿＿＿＿Aちゃん…？

．

男の声が呼んだその名前に反応して

無意識にその姿を探すけど

…違うよな、A先輩なわけない。

ここからA先輩ん家、遠いし。

隼「ちょ、玲於、あれって…」

＿＿違う、A先輩だ。

隼の視線の先を見ると

A先輩と、” 白濱 ” って人の姿。

…は？え？ …デート？

楽しそうに笑いながら

二人並んで歩いてる

その姿を見て、

頭ん中ぐちゃぐちゃになる。

「…どゆこと」

隼「あれ、昼の人だよな。」

「白濱って奴だろ」

隼「フッた子とデートするか？普通」

「…確かめて来ていい？」

隼「やめとこ笑」

「…LINEは？」

隼「ん～ギリアウト笑」

「なんでだよ」

どうすんだよ、A先輩の気持ち

弄ばれてるかも知れないのに。

実は付き合ってるって言われた方がまだいい。

…いや、やっぱどっちもムカつくけど。

どうすんだよ、A先輩が傷付いてたら…

「ムカつく……」

．

隼に説得されて

その日は大人しくスタジオ行ったけど

他の男の隣で楽しそうに笑う

先輩の姿が焼き付いて離れなかった。

．