線香花火。＿＿Reo (ページ47)

今日:22 hit、昨日:0 hit、合計:126,870 hit

４６＿＿ページ47

.

Aside＿＿＿＿＿

剛典くんの好きなもの、いっぱい作ろう

日曜日は早く起きて、午前中にお買い物行って

午後はお料理しながら

剛典くんの帰りを待とう

考えるだけで楽しい

剛典くんはきっと、喜んでくれる

優しく笑って抱きしめてくれる

その笑顔を想像しただけで、

幸せな気持ちになれるから

剛典くんってすごい。

服をたたんで、クローゼットにしまってたら

水色のハンカチが目に入った。

あの時、玲於に貸したやつ。

もう一回だけ、会えないかなって

そう思って渡したのに

まさか、毎日会いたいなんて

言ってくれるとは思わなくて

素直に嬉しかった。

私たちの間に出来た、空白の時間

埋めるのは、今しか出来ない。

なんで一緒に居たいなんて言ってくれるのか

なんで、抱きしめてくれるのか

分からない。

知りたいけど、知りたくないような

聞いちゃダメなような

そんな気がして

あの時、伝えられなかった気持ちは

時間が流れていく中で、思い出に変わっていった。

それはやっぱり、剛典くんの存在が大きくて。

何かあるたびに玲於のこと思い出すのも

玲於だったらなんて言うかなって考える癖も

剛典くんと過ごすうちに

少しずつ、なくなっていって

そんな自分に気付いた時

寂しくなかったって言ったら嘘になる。

でもそのぶん、

剛典くんのこと好きになってるんだって

そう思ったら嬉しかった。

何よりも私を大切にしてくれる剛典くんが

私も一番大切な人になった。

剛典くんのおかげで、前に進めたの。

一週間後、剛典くんが帰って来る

そしたらもう、玲於とは会えなくなる

…あと、一週間

.