線香花火。＿＿Reo (ページ5)

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「……そうなんだ、おめでとう」

思った以上に、すんなりと出て来た

祝福の言葉

それはきっと

いつかこんな日が来るって

分かってたから

A「…ありがと、」

隼「じゃあ悪いんだけど俺とミカンはこっから別の店予約してるから！あとは二人で楽しんで～笑」

ミカ「玲於、男前になったね～！また会おうね～」

「はっ？ちょ、」

待てって言う間も与えずいなくなった二人

四人掛けのテーブルに取り残された俺ら

A「…わ、私たちも出よっか、」

とっさに立ち上がって、

バッグから財布取り出そうとするAの腕掴んだ。

ゆっくり引き寄せると

小さな体はすぐに俺の腕の中におさまって

A「っれ、玲於……？」

慌てて離れようとするAを鎮めるように

強く抱きしめると

諦めたように大人しくなって

俺に体を預けてくる

A「あ、あの……」

「…会いたかった」

A「っ…… 」

あの頃、俺の毎日はダンスと

Aでいっぱいだった

いつもAのこと考えてた

誰よりもAを優先して

誰よりも大切にしてた

結婚なんて、急に言われても

どうしていいか分かんねえよ

俺はまだ、好きなのに……

こうして会ってしまったら

当たり前のように

気持ちが溢れてくるのに

．

閉じ込めたまま、気付かないフリしてた

でも、何も変わってないんだ

俺の気持ち、あの頃と

「会いたかったよ…」

本当はずっと、会いたかったんだって

．