37の錬金術 ページ37
マルコー「私は耐えられなかった…。
上からの命令とはいえ、あんな物の研究に手を染め…そしてそれが東部内乱での大量殺戮の道具に使われたのだ…。本当に酷い戦いだった…無関係な人が死にすぎた…。
私のした事はこの命をもってしても償いきれるものではない。それでも出来る限りの事をと…此処で医者をしているのだ」
少佐「一体貴方は何を研究し何を盗み出して逃げたのですか」
少佐の問いかけにマルコーさんの顔が苦悩に歪んだ
マルコー「賢者の石を作っていた。私が持ち出したのはその研究資料と石だ」
賢者の石を作ってたってまさか……!
エド「石を持ってるのか!?」
マルコー「ああ、ここにある」
マルコーさんが見せたのは瓶に入った赤い物体だった
エド「石って…これ液体じゃ…」
そう言うエドに瓶のふたを開け、中身をテーブルに垂らし液体のように見えたそれは丸くまとまった。
エドがぷにぷにと賢者の石に触れる。
貴「“哲学者の石”“天上の石”“大エリクシル”“赤きティンクトゥラ”“第五実体”…賢者の石にいくつもの呼び名があるように、その形状は石であるとは限らないの。見る限りこの場合、試験的に作られた物。いつ限界が来て使用不能になる不完全品ね。」
マルコー「!何故それを…」
貴「人の手で作り出せるって事は、その資料があるはず…。マルコーさん、その持ち出した資料を見せてくれませんか?」
その資料は【有ってはならない】。
マルコー「……アームストロング少佐、この子はいったい…」
少佐「国家錬金術師ですよ」
マルコー「こんな子供まで…潤沢な研究費をはじめとする数々の特権につられて資格を取ったのだろうが、なんと愚かな!!
あの内乱の後、人間兵器としての己の在り方に耐えられず資格を返上した術師が何人いたことか!!それなのに君は……」
バン!
私は机を叩き、立ち上がった。
ギシ…
微かに左脚の義足が鳴る。
貴「バカなマネだというのはわかってるわよ!!それでも……!」
私は右目をそっ…と押さえた。
エド「(A…?)」
貴「…それでも!!目的を果たすまでは針のムシロだろうが座り続けなきゃならないのよ!!」
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リアル(プロフ) - いえいえ、がんばってください! (2017年8月20日 17時) (レス) id: e78141143e (このIDを非表示/違反報告)
霊奈♪(プロフ) - あ、本当ですね…;ご指摘ありがとうございます!後日また直します! (2017年8月19日 18時) (レス) id: 88ca8a2660 (このIDを非表示/違反報告)
リアル(プロフ) - 国家錬金術師ではなく、国家錬金術師の資格ですよ? (2017年8月19日 16時) (レス) id: e78141143e (このIDを非表示/違反報告)
霊奈♪(プロフ) - ナギサさん» ありがとうございます!!これからも頑張って更新します♪ (2017年6月28日 16時) (レス) id: 88ca8a2660 (このIDを非表示/違反報告)
ナギサ - とても、面白かったです♪ (2017年6月28日 16時) (レス) id: 8678f43e84 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:霊奈♪ | 作成日時:2016年8月17日 20時