現実 ページ34
長期休暇が始まって数日。部屋から出ることはあったものの、授業があった頃と比べたらその機会はめっきり減った。
故に、あの4人と鉢合わせるタイミングも全くない。たまに見かけたりする事はあるが、その時は私が先に気づいてそそくさ逃げるし、坂田くんやセンラくんは時折部屋を訪れてくれるが、それすらも無視している私は、最低だ。
｢図書室、行かなきゃな…｣
借りた本の貸出期限が迫っていて、否応なしに部屋から出なければならない事情ができてしまった。夜になれば人気もなくなるからその時に返せばいいのに、わざわざ待つのは面倒だと思って部屋を出た。…この選択が間違っていた事に、後から気づく。
せっかく図書室まで来たし、どうせならまた借りて帰ろうと考えて図書室を彷徨く。今この時間帯はお昼時で、残っているほとんどの生徒が街まで食べに行っているから実質1人。やっぱり1人は楽だなぁなんて考えていると、生徒立ち入り禁止の書棚から1冊の本が落ちているのが見えた。
(誰もいないよね。)
誰が落としたのかは知らないが、生徒ではなさそうだし、ここは先生も中々立ち寄らない場所。長い間落ちていたのであれば埃を被ってそうだが、周りの床と比べるとほとんど被っていない。周囲に人がいない事を確認して、その本を持ち上げる。
｢特別魔法研究所についての、本…？｣
あまり仲が良くないとはいえ、仮にも親が所属している仕事場についての本だ、少しは気になる。目次を開いて、眉根を寄せた。いい印象を持てない目次ばかりだ。気になって中を見てみると、それは研究所で働いていた職員の日記のようなものだった。
『魔法社会に貢献する研究所で、職員として働ける事に誇りを感じている。』
『研究員の熱心な姿を、僕も見習わなければ。』
『特別な能力を持っていると言われて連れてこられたあの人はどうなったんだろう。』
『この研究所は何かおかしい、みんな狂ったように魔法力が、魔法量がとか言って。』
『あいつらは悪魔だ。自分の利益の事しか考えてない。科学社会の人間がどうなろうと、何も感じない悪魔なんだ。』
｢なに、これ…｣
この職員の感情が、直接伝わってくるような感じが気持ち悪く、本を閉じて棚に戻す。気持ちを落ち着けるために何度か深呼吸をして、借りた本を読もうと中庭に向かった。
(…忘れよう。)
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まにゅ(プロフ) - 暁さん» 嬉しいですありがとうございます(T_T)期待に添えるよう頑張ります！ (2019年4月10日 22時) (
レス) id: 886f7501c3 (このIDを非表示/違反報告)
暁 - すごく面白いです！！無理なさらずに頑張ってください！！ (2019年4月10日 19時) (レス) id: 5628b1917f (このIDを非表示/違反報告)
まにゅ(プロフ) - 桜さん» ありがとうございます！頑張りますね(^ ^) (2019年4月8日 8時) (レス) id: 886f7501c3 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - 面白いです！最高です!!魔法研究気になります！亀さんでもいいので頑張ってください! (2019年4月7日 21時) (レス) id: fdd942ce22 (このIDを非表示/違反報告)
まにゅ(プロフ) - 志麻セン寄りの箱推しさん» ありがとうございます(T_T)更新頑張ります！ (2019年4月7日 15時) (レス) id: 00588a474f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まにゅ | 作成日時：2019年3月18日 10時
