得意魔法 ページ14
｢で、何の話してたん？｣
｢えー、そりゃ2人の秘密に決まっとるやろー。なぁ？鷲嵜ちゃん？｣
｢えっと…｣
教えてくれるよな？みたいな坂田くんの言葉と、黙ってろよ？というニュアンスを含んだ月崎先輩の言葉に、肩を竦めて言葉を濁す。
｢どうせ坂田も気づいてんだろうし、わざわざ聞くまでもないやろ。｣
呆れたように笑いながら言う月崎先輩。それを聞いて、やっぱり坂田くんも学年トップなんだなぁと他人事のように思う。当事者は私なのだが。
｢無効化能力の話やろ？
直接Aから聞きたかったんにー。｣
｢坂田くんそれいつでも話せるから…｣
｢ちゃうねん、俺が1番に聞きたかったのー。｣
｢えぇ…｣
ほっぺを膨らませる坂田くんに、どうしたらいいのかわからなくなって月崎先輩の方を向く。
｢ほら坂田、鷲嵜ちゃん困っとるから。｣
その一言でムスッとしていた坂田くんは、仕方ないというふうに溜息を吐いて私に向き直る。
｢今度ちゃんと聞かせてな？｣
｢うん、わかった。｣
付き合いたてのカップルか、という月崎先輩の声が聞こえてきたが、私が坂田くんと付き合うなんておこがましい。釣り合わない。坂田くんはその発言に少しだけ気を良くしているが、私なんかよりよっぽどいい人がきっといる。
｢あれ？やまだじゃん。｣
｢やまだ？｣
月崎先輩の視線の先には、1匹のたぬきがいた。
｢浦田さんのペット、やまだぬきっていうんよ。｣
｢へぇ…｣
中庭をひょこひょこと歩き回るやまだぬき…ちゃん。その歩き方に、少しだけ違和感を抱く。
｢…怪我、してる？｣
｢え？｣
坂田くんの声には反応せず、やまだぬきちゃんの所へ一直線に駆ける。…ごめん坂田くん。
警戒しているやまだぬきちゃんの前にしゃがんで、ゆっくり手を伸ばす。案の定、足にどこか木の枝に引っ掛けたような傷跡があった。
｢痛いね、大丈夫だよ、治してあげるから。｣
怪我の部位にそっと手を置いて、得意魔法の治癒を発動させる。
｢…ほら、もう大丈夫。｣
数歩、難なく歩いたやまだぬきちゃんを見て、この判断は間違ってなかったと安心した。
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まにゅ(プロフ) - 暁さん» 嬉しいですありがとうございます(T_T)期待に添えるよう頑張ります！ (2019年4月10日 22時) (
レス) id: 886f7501c3 (このIDを非表示/違反報告)
暁 - すごく面白いです！！無理なさらずに頑張ってください！！ (2019年4月10日 19時) (レス) id: 5628b1917f (このIDを非表示/違反報告)
まにゅ(プロフ) - 桜さん» ありがとうございます！頑張りますね(^ ^) (2019年4月8日 8時) (レス) id: 886f7501c3 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - 面白いです！最高です!!魔法研究気になります！亀さんでもいいので頑張ってください! (2019年4月7日 21時) (レス) id: fdd942ce22 (このIDを非表示/違反報告)
まにゅ(プロフ) - 志麻セン寄りの箱推しさん» ありがとうございます(T_T)更新頑張ります！ (2019年4月7日 15時) (レス) id: 00588a474f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まにゅ | 作成日時：2019年3月18日 10時
