フィールドの悪魔 ページ6
雷門イレブンの練習が始まって3日ほど経った頃。
私は今日の練習の記録をつくしさんに頼んで、また星章に来ていた。
今日のお目当ての人物は、鬼道さんではない。
｢あ！灰崎くん！｣
｢あ？｣
グレーの長髪に鋭い眼光。
星章学園の問題児であり、フィールドの悪魔と称される1年、灰崎凌兵だ。
今日は彼に会うためにここまで来た。
｢灰崎くん、次の試合出るの？｣
｢鬼道の差し金か？｣
｢失礼な、確かに鬼道さんから聞いたけど、単純に気になったから来ただけだよ。｣
そうかよ、と言って歩き出す灰崎くん。
｢ちょ、待ってよ、まだ返事聞いてない！｣
｢執拗いっつってんだ、帰れ。｣
一応私先輩なんだけどな。
いや、人のこと言えないか。
｢…何、百面相してやがる。｣
｢いや何でもないけど…
それで、出るの？出ないの？｣
私が腕を掴んでいるからか知らないが、少し考え込む灰崎くん。振り払わないのは優しさだろうか。
｢お前が新雷門とやらの情報をくれたら考えてやらないこともない。｣
｢あんた、私が敵にポンポン情報渡すやつだと思ってんの？｣
｢あぁ、ちょろそうだもんな。｣
｢何、私に恨みでもあるわけ？
すごい殴りたい。｣
これ以上聞いても無駄か。
掴んでいた腕を離す。
｢まぁいいや、聞きたかったことはそれだけだから。
それと、練習にはちゃんと出てあげてね？
水神矢さんから、お困りのメールがすごい来るんだから。｣
結局、迷惑被るのは私なのである。
｢考えておく。｣
絶対出ないなコイツ。
そんなことを思いながら、歩き去っていく灰崎くんの背中を見ていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 67人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まにゅ | 作成日時：2018年10月27日 17時
