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雑用か、特訓か ページ14
｢おはよう、氷浦くん。
氷浦くんも監督の指示で水撒き？｣
先ほど校門のところで岩戸くんに会った。
なんと5時から壁の落書きを消しているらしい。
あれ絶対へらへら監督が描いただろ。
｢あぁ、おはよう、水無瀬。
学校中に水撒きしてくれだとさ。｣
学校の敷地に入ると、氷浦くんが校舎に向かって水をかけていた。
監督の指示と、それが何に繋がるのかはよくわからないが、氷浦くん大変そう。
｢学校中かぁ…。
グラウンドだけでも十分広いのに、校舎もって大変だね。
間に合う？｣
｢大丈夫だ。
練習には間に合うようにするから、心配しないでくれ。｣
それだけ言ってまた他の所に水を撒きに行く氷浦くん。
スクールバッグを肩にかけ直して、氷浦くんの背中を眺める。
｢…小僧丸くんあたりの暴動が起きそう。｣
結局それはあながち間違いではなくなったが、この監督の意図がわかるのは次の試合でのことだった。
突然、バッグの中に入れていたスマホが鳴り出す。
慌てて取り出して、ディスプレイを確認。
先輩かと期待したが表示された名前を見て、思わず眉間に皺を寄せる。
｢サッカー協会…。｣
正直、協会関連は面倒事ばかりだから絡みたくない。
私は雑用係じゃないんだけどな。
｢………まぁいいか。｣
手元にスマホ置いてませんでした、とか、学校だったので見てませんでした、とかなんとか言えば許してくれるだろう。
学生の本業は勉強である。成績が落ちたら協会のせいだそうだ。
｢先輩からかなって、期待したんだけどなぁ…。｣
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作者名：まにゅ | 作成日時：2018年10月27日 17時
