監督の指示 ページ13
｢では〜、次の対戦相手と、ここからの特訓内容を発表しま〜す。｣
相変わらず緩い監督の一言でミーティングが始まる。
｢次なる対戦相手、それはサッカー界にそびえ立つ要塞、美濃道山中で〜す。｣
｢美濃道山は、近づく者全てを跳ね返し、誰一人として侵入させない。
それが美濃道山のサッカー。
その名も、要塞守備。｣
要塞守備を盾とする美濃道山。
鉄壁の守りを誇り、そして私の仲間が派遣されている中学だ。
そんな美濃道山を相手取るために監督が出した指示は、“ 守備を固めまくること ”。
カウントダウンがあったことと、ドラムロールが長かったことにはあえて突っ込まない。突っ込む時間が無駄だ。
まぁ、それは置いといて、監督の考えはいまいちよくわからないが、実力は確かなはずなので口出しはしない。
その指示に小僧丸くんがイライラする気持ちもわかるにはわかる。FWだもんね。
｢水無瀬、監督の指示、お前はどう思う？｣
｢うーん…私もよくわかりませんけど、従っておいて損は無いかなと思いますね。｣
グラウンドに向かう途中、道成さんに聞かれて答えになってるのかなってないのかわからない返しをしてしまったが、道成さんだからいいだろう。優しいし。
小僧丸くんは相変わらず、愚痴愚痴言いながら練習をしている。
FWは基本攻撃だからなぁ。
｢集合！｣
亀田コーチの一声で、ベンチにみんなが集まってくる。監督の横には黒い布がかかった何かが。
｢は〜い、次はコレ！
秘密兵器、その名も…謎のくじ引きボックス3号で〜す！｣
3号に引っかかるが無視無視。
1人ずつくじを引いていく。
当たりを引いたのは、氷浦くんと岩戸くんだ。
｢では当たりのお2人は何と〜！
辛〜い特訓をサボってオッケ〜！
そのかわり、ちょっとした雑用を手伝っていただきま〜す。｣
うーん、やっぱりわからん。
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作者名：まにゅ | 作成日時：2018年10月27日 17時
