さっさと出ていけコノヤロウ.【BTS】 (ページ21)

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『あー！！ムカつくー！！！』

「うわっ、帰って早々どうしたの？おかえり」

『帰り道に嫌なことがあった！ただいま！！』

ドスドスと歩いてきた私を見て、エプロン姿のキムソクジンはぎょっとした顔でこちらに寄ってきた。

"とりあえず座りな"と鞄やジャケットをナチュラルに持っていってくれる姿は、主夫……いや、主婦のように思えた。

「珍しいね、Aがこんなにムキになるなんて。いっつも冷静に上から物を見てるのに」

『あんたは私をどうしたいの？これ以上怒らせたいのかな？？』

「やめてください」

言葉は丁寧なのに口元は緩んでいるから、思わずチョップをお見舞してしまった。

「…ったた。で？どしたの」

『ああ、帰り道に男二人にナンパされたんだけど。ヘラヘラしたガキ共に付き合ってる暇はないって言って断ったのね』

「めっちゃ喧嘩腰。もう続きが分かりそうなんだけど」

『そしたらさ、そのガキ共何て言ったと思う！？

"てめえみたいなおばさん"興味ねえよって！こちとらまだ23じゃい！現在進行形でピチピチだわ！！』

自分で言うけど顔はいいから。
あんなクソガキに舐められたのがムカつくぜ。

…なんて、いつもなら無視できるのにね。

「A、明日休みでしょ？」

『うん』

「今から飲もっか」

『え、私そこまで強くないよ？てか飲まないし』

「大人はねー、息抜きがないとやってらんないの。たまには嫌なこと忘れて、楽しいままでいなよ」

『うーん…うん、それもそうか』

「よし！お酒とつまみの材料買ってくるから、ゆっくり風呂にでも入ってて」

『いや、それは申し訳ないからまた今度でいいよ。ご飯も作ってもらってるし』

立ち上がるキムソクジンの腕を引いて止めれば、

「今日くらい休みなって。

俺が存分に介抱してあげるから」

『＿＿＿＿＿...っ』

上から微笑んで頭を撫でてくるその仕草に、

何故か胸が苦しくなった。

こんな優しい顔を見るのは初めてで、無性に目を逸らしたくなった。