さっさと出ていけコノヤロウ.【BTS】 (ページ3)

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「うっわ、甘ぁ…」

余程甘かったのか、顔を渋らせて皺を寄せている。

私は特別甘いものが得意ではないので、尚更飲む気にはなれなかった。

「普段甘いもの飲みます？」

『いえ、全く』

「ならきっとキツいと思います」

少しふっくらした唇を上げてけらけらと笑うと、私が持っていた缶を取り上げて、

『えっ、ちょっ！！』

「…っ、ああああ！！甘すぎ！！」

『いやバカなんですか！？甘いって苦しんでたくせにバカなんですか？』

「恩人に恩を返そうと思って…。飲めないでしょ？」

空になった2つの缶を捨てて、自慢げに笑う。

いや恩返しっていうか、私のお金で買った飲み物だし…損してない？

まぁいいや。お礼でも言ってさっさと帰ろう。

『ありがとうございます。次は忘れないようにしてくださいね』

「ちょっと待って！」

『まだ何か？』

「あなたいい人そうだから、お願いごとがあるんですけど…

俺を居候させてくれませんか？」

…は？

居候…？

いや、聞き間違いでしょ。

『じゃあ』

「えっ！？今の話聞いてた！？」

『え？何か言いました？？』

「居候させてほしいんです！」

うっわー、聞き間違いじゃなかった。ガチだよ。

この人まじの顔してるんだけど？

もう手まで握ってきてるし、顔ちっか、やばいよ。

『離してください！急に何なんですか、訴えますよ』

「それだけは勘弁です。…っ、とりあえず、家に帰れなくて…今ホームレスなんですよ」

『理由は知らないけど…お仕事されてる歳ですよね？自分でなんとかしてください。じゃあ』

「じゃあ家政婦でいいから！！！」

『…え？』

「時給要らない！お金はあるから！家政婦として一時、ちょっとだけ家に置いてください！！」

いい大人が女に土下座するこの状況。

人がチラチラ見て恥ずかしすぎたので、とりあえず家に持って帰ったのだった。

このことを私は深く深く後悔している。