さっさと出ていけコノヤロウ.【BTS】 (ページ12)

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「＿＿＿＿顔、真っ赤だよ」

余裕綽々な声が耳の奥にまで響く。

普段はそこまで低くないけど、何故か急に男らしくなった低音が体中を伝うように広がっていく。

『…ｯ、なにしてっ、』

「他の男だったらこんなんじゃ済まないよ。それを教えるためにやっただけだから」

『人を馬鹿にするのも大概にして…っ！』

「もう23歳でしょ？こんなの慣れてそうだけど」

そう冷静に放った言葉は、私の体温を一気に下げた。

慣れるなんてこと、あるはずがないのに。

『…じゃんけんなしで一つ教えとく。私が今まで付き合った人数は一人、声をかけてきた人数は数え切れない。けどね、みんな変なやつらでストーカーやら束縛やら色々耐えてきたわよ！慣れてるなんて簡単に言わないで！！』

「・・・」

溜まっていたものを吐き出してしまった。

強気でいるけれど、実は怖い思いをしていた点において、慣れてるなんて簡単に言われるのは物凄く嫌だったからだ。

呆然と私を見つめる視線に耐えきれず、食器をまとめてごちそうさま、と席を立った。

「……そういうこと」

『…？』

「簡単に男を入れるから、そういう女かと思ったよ」

『……まぁ、同じようなこと言われたから否定はしない』

「おかげでAのことが一つ知れた。慣れてないなんて純粋な部分も見れたし～』

『ばっ、馬鹿にするな！』

「何で？可愛いじゃん」

なんて、真顔で言うやついるの？

こんなこと言うような間柄ではないはずだし、言われて照れるような私ではない。

「あれ、また顔赤くしてくれないの？」

『軽すぎ、欲求不満なら他当たって』

「そんなことないって。だってさっき俺が言ったこと、嘘じゃないから」

『……さっき？色々ありすぎて分からん』

「もし仮に、Aのことが知りたくてわざと自販機で待ち伏せしたって言ったら？」

『……え、』

「加えれば、家を出ないと行けなかったのは本当。ただ、その行先は最初からAって決まってた」

『意味わかんないんだけど』

「うん。だろうね。…だからさ、」

"今日から隠さないで伝えるから

覚悟しといてね"

なんだろう。

なんだろうな。

この雰囲気、だいぶデジャブ。