383話:忘れない ページ25
女郎蜘蛛について行く。
広い研究室には、本や薬草がたくさんある。
薬品のにおいが漂っている。
女郎蜘蛛「……アンタ、良かったの…これで。」
貴方「……良いの。これが、良かったの。」
大やもり「…記憶がなくなれば、大ガマ達のことも……。」
貴方「私の記憶がなくなっても、大ガマ達が覚えててくれるじゃない。そんな悲しい顔しないでよ、大やもり。」
女郎蜘蛛「バカね…、残される方の事も考えなさいよ…。アタシ…アンタの事……気に入ってたのに、次に会ったらアタシ達のこと覚えてないなんて……そんなの…!」
女郎蜘蛛はボロボロ涙を流し始めた。
貴方「ごめんなさい……、でも…こうしなきゃ…二度とエンマさんに会えなくなるのは嫌なの……。」
キュウビ「僕達も、本当のAに会えなくなるって事じゃないか…。そんなのっ……」
貴方「大丈夫だよ、キュウビ。未来でアナタは、私の友達なんだから。」
キュウビ「またそれかい…っ。」
貴方「……大ガマと、土蜘蛛、オロチとキュウビ、それと私の5人で暮らすの。すごく楽しくて、毎日がキラキラ輝いてるわ。絶対にまた会えるから。」
女郎蜘蛛「ちょっとぉ!アタシ達はどうなのよ…!」
オロチ「落ち着け。未来など、いくらでも変えられる。まだ会っていないだけで、お前とも出会うことは必ず出来る。Aを信じてやれ。」
貴方「オロチ……」
女郎蜘蛛「そうね。私達は変わらずここに居る。絶対に生まれ変わったら、ここに来なさい。アンタが忘れても、アタシ達は絶対に忘れないんだから…!」
そう言って女郎蜘蛛は抱き締めてくれた。
暖かくて、嬉しくて、
初めて会った時は意地悪ばかりだったけど、
今はこうして、別れを惜しんでくれる。
私の大切なトモダチ。
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作者名:暁兔 x他1人 | 作者ホームページ:
作成日時:2020年1月18日 0時