373話:同じ過ち ページ14
貴方「でも、逃がすってことは大王様の命令に背くってことでしょ?罰とか与えられないの…?」
かまいたち「さぁ。普通に考えて、罰はあるだろう。」
貴方「だったら私、閻魔大王様のところに…」
かまいたち「ダメだ。…絶対に行かせない。」
貴方「どうして!?このままじゃ、かまいたちが処罰されるだけだよ!」
かまいたち「それを覚悟の上でやっている。」
頑なに意見を曲げないかまいたち。
何か、他に理由があるのか。
私を妖魔界に行かせたくない、とか。
貴方「私をここに置いていても、じきに土蜘蛛達が来るよ。」
かまいたち「……ああ。」
貴方「…」
全て承知の上、か。
かまいたちが何を考えて居るのかわからないが、私も一応鬼族だ。
ここから抜け出すか、あるいは
別の方法で対処する事も可能だ。
でも、かまいたちは私と戦う意思はきっと無いはず。
どうしよう。
結局、土蜘蛛達が来ない事には
話は前に進まない気がする。
かまいたちが、これ以上何か情報を吐露するようには思えない。
貴方「…ねぇ、かまいたち。アナタ……どうして私の事…。」
かまいたち「昔、お前と月見酒をしただろう。懐かしかった、人間と…同じように過ごした記憶が戻ってきて。」
貴方「うん…。」
かまいたち「その人間が、お前にとてもよく似ていた。記憶の中の面影に懸想していたんだ。だから、俺はまた同じことを繰り返した。結果なんて、分かっているはずなのに。」
58人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:暁兔 x他1人 | 作者ホームページ:
作成日時:2020年1月18日 0時