君にどう好かれるか考えるー６ー (ページ41)

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２６３話：涙ページ41

腕を引っ張られた激痛で、ハッと意識を戻した。

貴方「…烏…天狗……」

烏天狗は私を睨み付けると、
そのまま私の頬を叩いた。

貴方「っ！」

驚きで声も出なかった。
ジンジンとした痛みが断続的に続く。

衝撃で簪が草の上に落ち、
髪がハラハラと元に戻った。

爪が人間のものに戻っている。
鬼化が終わったことを示していた。

烏天狗「何………してるの……」

貴方「……」

カルラや大ガマ達も、ー言も声を発しないまま、後ろで立ち尽くしていた。

烏天狗「何してるのって……聞いてるんだけど…」

烏天狗から、今まで聞いたことも無いような低い声が響く。

貴方「…ごめん…なさい………」

烏天狗「………許さない…。謝れば良いって…思ってるわけ……？」

烏天狗の声が震えている。
見上げると、烏天狗はボロボロと涙を流していた。

貴方「烏天狗……」

烏天狗「やめてよ………。どうして…どうしてそんな事ばっかりするんだよ……死にたいの……？ねえ…！」

女郎蜘蛛「アンタ……本当に出血死するわよ……、どうして自分を傷付けたりするの…！」

女郎蜘蛛が近寄ってきて、
布で私の手を締め上げる。

血を止めるため、きつく締められたソコは
更にドクドクと脈を打つ。

女郎蜘蛛「………アンタ、本当に女なの…？身体、大切にしなさいよ…！」

女郎蜘蛛が私の手を握って
声を上げて泣いた。

こんな女郎蜘蛛、初めて見たかもしれない。