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262話:血の味 ページ40

泣き続けて頭がボーッとしている。


喉の痛みは、鳴き声を出したせい…?

いや、この痛みは違う。
これは………




貴方「っ………う…」



そういえば、最初に鬼になった時も
泣いたっけなぁ……。


あの時は鬼の姿を受け入れるのが怖くて
喉の痛みがつらくて…。


でも今は何故か、その痛みが
自分への報いだと思うほど
心臓の方が痛かった。



貴方「血………血が…欲しい…」



楽になりたい。
こういうのって、自分の血でも大丈夫なのかな。



震える手で懐から小刀を出して
自分の左手首に深く刃を立てた。


貴方「っ…」


こんな痛みですら、報いだと感じるくらい、今の私は狂っている。


手首から滴り落ちる血液。
ドクドクと脈打つ腕。


血が、私の白い着物の袖を染めていく。
匂いが、更に脳を麻痺させる。


これが、血の味。
これから先飲み続けなければならない
鬼の宿命…。


ツラい、苦しい、
それ以上に、快楽を味わった。



貴方「はは……私…もう………ヒトじゃ無いんだなぁ………」



中庭に座り込んで、
ただひたすら血を舐めた。

腕からの血は止まることを知らない。


着物を、中庭の草をも赤く汚した。





完全に血の味を覚え、酔った頃だった。




私の腕を強く引っ張る者が現れたのは。

263話:涙→←261話:苦しい



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設定タグ:妖怪ウォッチ , 大ガマ、土蜘蛛、烏天狗   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:暁兔 | 作者ホームページ:   
作成日時:2019年8月25日 14時

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