君にどう好かれるか考えるー６ー (ページ45)

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２６７話：恋話③ ページ45

女郎蜘蛛「アンタが宮に来た時、何で若君に人間がって思った。……でも若君は、アンタだから好きになったんだなって気付いた。」

貴方「え…？」

女郎蜘蛛「若君からね、少し聞いたの。アンタとの馴れ初め話。」

貴方「え、ええ！？」

女郎蜘蛛「アンタ、初めて会った時に若君の腕振り払ったって本当？」

貴方「う………うん…」

吹雪の中、荒屋で初めて会ったあの日。
最純………土蜘蛛を追うことに必死で
エンマさんなんて微塵も興味なかった。

今思えば、あの出会いが無ければ
会ってなかったんだよね。

女郎蜘蛛「それで……２回目に会った時の態度…すごく偉そうだし、女だと思わなかったって。」

貴方「あ…」

それはきっと、土蜘蛛の家に
エンマさんが一人で訪ねて来た時だろう。
名前も告げずに別れたあの時。

3度目に会って、やっと私は
エンマさんに名を教えた。

あれは本当に生意気だった。

女郎蜘蛛「若君がね…アンタを好きになった理由、知ってる？」

貴方「一目惚れって…言われたけど………」

女郎蜘蛛「そうね。それもあるけど……、若君ってやっぱり妖魔界の次期大王様になる予定だったでしょう？だから、下心のある女しか近くにいないと思ってたみたい。まぁ、本当のことなんだけどね。」

確かに、財力も申し分ないし
見た目は凄くいいし、
守ってくれそうだし。

女の子にとっては、本当に憧れなのかも。