君にどう好かれるか考える。ー５ー (ページ6)

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１８４話：縁側ページ6

暫く沈黙が続いた。
先に切り出したのは烏天狗だった。

烏天狗「……部屋まで送る。」

貴方「……うん。」

烏天狗が送ってくれた先は
エンマさんの部屋ではなく、元の私の部屋である朱雀の間だった。

もうエンマさんの部屋に行くなって事なのかな……。

貴方「あの……烏天狗……」

烏天狗「お休みA。また明日ね。」

貴方「あ……」

私の言葉を遮り、烏天狗は自室に戻ってしまった。

貴方「私…烏天狗に何かしちゃったのかな……。」

部屋の暗さが異様に私の心も沈めた。

数時間が経過して、もう夜中になった頃。
私が居ない事を知ったエンマさんは
案の定屋敷内の至る所を捜していた。

私の微量な妖気を辿って探し出した時は
既に1時頃だったと思う。

エンマさんの部屋から朱雀の間へは距離がある。
必死で走ってきたのか、息を荒らげているその姿に、私は申し訳ない気持ちでいっぱいになった。

エンマ「A……」

貴方「……」

エンマ「すまない……無理をさせていたのか……？」

貴方「え……？」

エンマ「俺を夜中まで待っていたりするのは、大変なのかなって思ってな。」

貴方「ち……違うの……！そうじゃなくて…」

エンマ「うん……？どうした……？」

柔らかく笑い、エンマさんは
朱雀の間の縁側に座っていた私を後ろから包み込んだ。