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183話:寝所 ページ5

それから数日が経過した。

あの日から私は、エンマさんの部屋で生活を始めた。

日中、たまに夜中も仕事に励むエンマさんの為に、何が出来るか考えたが特に思いつかなかったので、
屋敷内の掃除などを、女の妖怪達と共に行った。

時間ができれば、牢の間へ行って
大ガマと土蜘蛛の様子を見る。
キュウビとは相変わらずあまり仲良くなれないけど……。


仲良くなれないと言えば、薬師の女郎蜘蛛。
お付きの大やもりとオロチは、いつもよくしてくれるのだが、女郎蜘蛛だけは何かと意地悪だ。

今日もエンマさんとの関係をからかわれた。


不機嫌になって廊下を歩いていると、
後ろから呼び止められた。


「A……!」

貴方「え……烏天狗…?」

烏天狗「どこ行ってたんだよ!部屋行っても居ないし……!」

貴方「あ……ああ、ごめんなさい。私これからエンマさんの部屋で生活する事になって……。」

烏天狗「え……何で……?」

貴方「えっ……ええっと……」

烏天狗「何でなの……!」

貴方「!?」


急に烏天狗が私の肩を掴んだ。


烏天狗「ダメ……!今すぐ無理だって言ってきてよ!」

貴方「ど…どうして……?」

烏天狗「どうしてって……男と女が同じ部屋で寝るって……そういう事なんだよ……?」

貴方「……」


烏天狗は不安げな瞳で見つめてきた。

そこまで考えてはいなかったけど
確かに私なんかがエンマさんの寝所にいるなんて軽率だったかな……。

私は人間だから……。

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作者名:暁兔 | 作者ホームページ:   
作成日時:2019年7月14日 0時

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