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213話:自分より周り ページ35

キュウビと共に、紫色の煙で移動をした。
やはり人間の身には堪える。


貴方「っ……」

キュウビ「大丈夫かい?」

貴方「このくらい、何とも……」

キュウビ「強がっちゃって。」



連れてこられた妖魔界は、
室町後期とは全くの別物だった。

ただならぬ雰囲気が街をつつみ、
妖怪達は出歩いていない。

建物は無残にも壊され、その下敷きになった妖怪や、敵にやられてしまったものの遺体までもが散乱し、悪臭を放つ。


貴方「酷い……」


鬼がそこらじゅう動き回り、
見つけた妖怪を片っ端から捕まえていく。


キュウビ「……とにかく、閻魔大王様の所に行こう。敵に見つかるんじゃないよ、特に君はね。」

貴方「う……うん…。」



そっと裏道を通り、いつもの何倍もの時間をかけてやっと閻魔宮殿に辿り着いた頃には、心身共に疲弊していた。


キュウビ「何体かに見つかって、倒せたの良かったけど、敵も強くなってるねぇ……。」

カルラ「……血の中に強化剤でも混ぜられた可能性がありそうだね。」

烏天狗「閻魔大王様達は無事かな……」

貴方「……宮殿の中にも……鬼は居るだろうね。」

カルラ「怖いの?」

貴方「怖いよ……。それ以上に、私はカルラ達と違って技が無いもの……貴方達を守ることが出来ないのが1番怖い……。」

カルラ「本当にアンタって変わってるね。自分の身の心配しなよ。……そうだなぁ…」



カルラはうーんと唸ってから、
私に3枚の札と筆を渡した。

214話:西へ→←212話:一刻の猶予もない



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作者名:暁兔 | 作者ホームページ:   
作成日時:2019年7月14日 0時

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