君にどう好かれるか考える。ー５ー (ページ17)

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１９５話：契約、雪の降る街ページ17

貴方「これで……いい…？」

そう言って私は、オレンジ色の簪を出した。

それはいつ手に入れたのかもわからないもの。

けれど、私が生きている間に持っていた
私の生きていた証。

エンマ「この簪に誓ってくれ……。

未来で俺とまた出会って、お互いを想い合うことを。」

それは、時を超えた契約。

貴方「はいっ……！」

最後に精一杯笑った後で、
私の魂は時空の回路へ流れた。

エンマ「必ず未来で……。いつまででも待つ……。」

ドサッと落ちたところは、雪の降る街だった。

ー2章ー

貴方「いった……」

魂が時空の回路を通り、元の時代に戻れると思っていた私の前に広がっていたのは、見たことのない景色だった。

貴方「どこ……ここ……。」

そんな私の戸惑いを消すように、
懐かしい声が響いた。

『どうじゃ、思い出してきたか。』

貴方「……？おもいだ神……？」

『左様。』

貴方「ここはどこなの？私もう現代に帰れるんじゃ……。」

歴史は繋いだ。間違えなかったから私は消えずに済んだ。他に何が必要なのか。

『確かにお前さんの生まれた時代は終わった。じゃが、お前さんは何度かに渡り転生を繰り返しておる。』

貴方「転生……？」

『人が死んだら妖怪に、妖怪が死ねば人間になる。お主はその周期を何度も繰り返しておるのじゃ。』

貴方「じゃあ今の私は……」

今の私は何＿＿＿？