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１９４話：終わりの時 ページ16
エンマ「……A。」
貴方「……エンマさん…。」
エンマさんは柔らかく微笑んで隣に座った。
エンマ「体の具合はどうだ。」
貴方「……」
エンマ「……悪い、野暮だったな。」
貴方「気にしないで……。自分で決めたことだから。」
エンマ「……嫌だ……」
エンマさんは小さな声で言った。
普段弱音を聞かなかったからとても珍しい。
エンマ「……お前が居ない未来なんか……考えられない……。」
貴方「……未来は変えられるから…絶対また会えるよ。その時も……」
エンマ「……？」
貴方「その時もね…、見つけやすいようにエンマさんのままでいてね。」
エンマ「……どういう事だ？」
貴方「ううん、何でもない……。」
他愛ない話をしていると、
そろそろ終わりだと言うように体が軽くなってくる。
貴方「……」
エンマ「Aっ……」
貴方「エンマさん……魂が未来に行くみたい。ここでお別れだね。」
エンマ「……そう……みたいだな……」
エンマさんの声が震えている。
私も泣きそうだ。
好きだった。エンマさんの事が本当に大好きだった。
エンマ「A……何か俺にお前との出会いの証明をくれ……」
貴方「……証明…」
私が今持ってるものは……
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作者名：暁兔 | 作者ホームページ：
作成日時：2019年7月14日 0時
