君にどう好かれるか考える。ー５ー (ページ33)

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２１１話：鬼のことページ33

キュウビ「けど、その鬼達は不完全だった。数百年前の話だから、血も薄いだろうしね。変化している時間の記憶は完全に消える。そんな曖昧な存在だった。

ある所に、鬼の血を引く2体の妖怪がいた。その妖怪は人間のある女と交流していた。
その女は早くして亡くなったが、その女が鬼という存在を広めてしまった。」

貴方「え……？」

キュウビ「その女の名前は“三条子々”。」

貴方「！？」

その子は確か、昔……
私が大ガマと土蜘蛛に出会う前に
2人が会っていたという女の子……。

その子がどうして鬼という存在を広めたのだろうか。

キュウビ「その女は非常に貧しかった。また妖怪も見えた事から、情報を売って生活していたんだと推測される。閻魔大王もそう仰っていたよ。

そこで漏らした項目の1つに、鬼のことがあったんだろうねぇ……。
鬼は古来より、とても強く信頼度の高い地位を確立していたんだ。
妖魔界を支配していた時期もあったからね。

妖怪達はそこに漬け込み、鬼になれるという薬を独自に開発し、鬼の生き残りを見つけては実験に明け暮れた。」

貴方「そんな……じゃあその鬼達は……」

キュウビ「死んだ者もいるし、生き延びたものもいた。大概は人里から遠く、妖怪も近寄らない山奥や洞窟に住み着いたらしい。」

だから大ガマ達も山に居たし、
私の娘と息子から自分達の記憶を消したのか…。