191話:あの方って…? ページ13
貴方「は……離しなさいよ…!」
鬼と呼ばれる失敗作の妖怪が2体、
私を押さえつける。
別の3体が烏天狗に攻撃を加えるため、
こちらに来ることは無理だろう。
『人間だ』
『コイツの魂、うまそう』
『コイツをあの方に差し上げれば、我らは本当の鬼になれるのではないか。』
『ははは、それはいい案だ。でもコイツから妖気を感じる。』
『もしかして半妖なんじゃないのか。』
『何にせよ、閻魔の所の女だ。何か秘密があるはず。』
2体の妖怪が私について話し出した。
あの方って一体……?
貴方「ちょっと!誰に引き渡すつもりか知らないけど、烏天狗に攻撃するのはやめて!」
『あの烏の魂もうまそう』
貴方「うるさい!烏天狗に何かしたら許さないから!」
『お前に何が出来る、ただの人間ごときが。』
貴方「っ……」
私が妖怪なら、烏天狗を助けられたかもしれないのに……。
烏天狗「うっ!ぐ……っ……あっ!」
上空から烏天狗の苦しげな声が聞こえる。
貴方「烏天狗!?」
3対1は卑怯だ。
攻撃をくらい続けた烏天狗は、地面に這いつくばった。
すると一体の妖怪が、手に赤い液体を持って烏天狗に近付いた。
瞬間、嫌な予感がして
私は無理矢理2体の妖怪の手を振り払い
烏天狗とその妖怪の間に割り込んだ。
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作者名:暁兔 | 作者ホームページ:
作成日時:2019年7月14日 0時