命令6−2 ページ13
山口は無言でサイコロを振った。
出た目は『3』
「3人指名…」
「あ〜あ。3人首チョンパだネー。」
「て、天童さん…俺、誰を指名すれば…」
すると全員の着信音が鳴った。
「え…」
【14:09/王様/本文:05番天童覚に首切りの罰を与える。】
「なんで…おれ…」
────ゴト
『うわぁぁぁああ!!!』
天童の首がひとりでに落ちた。
首のなくなった天童の体から血が吹き出る。
「今山口が名前を読んだからデショ。次人の名前を呼ぶ時は気を付けなよ。」
月島がそう言うと、山口は泣きそうな声で
「ごめんツッ…ごめん…」
「あと2人…なら俺を指名しろ山口!」
「た、なかさん…?あっ…!」
「そ、それでいい…ぞ…」
────バタッ
【14:20/王様/本文:19番田中龍之介に首切りの罰を与える。】
「ぁぁぁああああ!!!りゅう!!!」
西谷が田中の頭のない遺体を抱えた。
これが王様ゲーム…?
こんなの人がやってるとは思えない。
勝手に首が取れるなんておかしい。
「何なんだよ…これ…」
しばらくの間全員が無言になった。
「…王様ゲーム、いつまで続くんだよ。」
誰かの発したその言葉に誰も返事が出来ない。
沈黙を破ったのは夜久だった。
「なら俺が、俺がみんなのために死ぬよ。」
それを黒尾が止めようとする。
「夜久!何言ってんだ!やめろ!」
「どうせ誰かが死ななきゃなんねーんだ!それなら俺が死ぬ!じゃあな、黒尾。お前とは馬が合わなかったけど、楽しかったぜ…山口、俺の名前を呼べ。」
「やめてくれ…夜久…お前がいないと…俺らは…」
「はい…っ…夜久さん…」
【15:34/王様/本文:06番夜久衛輔に首切りの罰を与える。】
「黒尾…ありがと…な…」
────ゴト
「夜久…」
【15:34/王様/04番山口忠に首切りの罰を与える。】
「ツッキー…」
────ゴトッ
「ばいばい山口…」
【15:34/王様/命令確認。】
4人死んだ。俺の目の前で。
助けることは俺には出来なかった。
そう考えると悔しさで涙が止まらない。
もちろん知らない奴もいた。でも、そんなの関係ない。
自分の無力さが思い知らされた。
「───ちゃん。岩ちゃん!!」
「及川…」
「大丈夫?死体片付けないと…」
そう言って及川は4人の死体を並べて布をかけた。
そして目を瞑って合掌をする。
俺も…
全員が合掌をしていた。
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作者名:くめっち。 | 作成日時:2017年1月10日 22時