命令6−1 ページ12
「しっあわっせは〜♪歩いてこない〜♪だ〜から歩いて行くんだね〜♪」
送信〜♪
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岩泉side
【0:00/王様/命令6/本文:王様の命令は絶対です。命令は24時間以内に行ってください。命令を無視した場合罰が与えられます。途中棄権は認められません。誰かがサイコロを振って出た目の数だけ人を指名しろ。指名された人には首切りの罰を与える。サイコロを振った者にも首切りの罰を与える。もしもこの命令が行われなかった場合、全員に首切りの罰を与える。】
「これは…」
必ず人が死ぬ。首切りって…自分で切るのか?
【8:12/及川徹/本文:みんな、13時に広場に集まって。そこでサイコロを振ろう。そうした方がいいはずだ。】
及川はなんでこんなにも冷静でいられる…?
俺は頭ん中がパニクって何も考える事が出来ない。
「ふふ……まさかな…」
そうだ。そんなことがあるはずがない。
「疲れてんな…俺…」
13時まで時間はある。それまで頭ん中を整理しねーと…
あの日だ。あの日に知らないこの街に、朝目が覚めたら居たこと。そして『王様』からのメール。
従わなければ罰。その罰は『首吊り』。3つ目の命令で白布が首を吊って死んだ。
でも俺の時は『告白』だった。従わなければ『首吊り』だったけど…
そして今回は『首切り』。白布のアレが偶然か、それとも、誰かが意図して殺したのか…
そしたら今回はどうやって…
「わかんねぇ…」
くそっ…どうする?
命令のまんまなら、サイコロを振ったヤツは必ず死ぬ。自分が死ぬと分かっててサイコロを振るヤツなんているわけねぇ。
でも、誰かが振らないと全員…
時間がねぇ。
仕方ねぇな。行くか……
「及川……」
「あ、岩ちゃん。」
俺達の間に緊張した空気が流れる。
「ねーねー。で、誰がサイコロ振んの?」
白鳥沢の天童だ。
「誰かが振んないと全員死んじゃうよネ〜?」
『…………』
全員が俯きその言葉に黙る。
「お、俺が振ります…」
最初に声をあげたのは烏野の山口だ。
「山口!何言ってんのサ?」
「ツッキー、誰かがやらないといけないんだ。だから…俺がサイコロを振るよ…」
「山口…お前、カッコいいよ。」
「ありがとう。ツッキー。」
月島と山口はとても寂しそうに笑った。
「じゃあ、これ。はい。」
及川が山口にサイコロを渡す。
「…………」
山口は無言でサイコロを振った。
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作者名:くめっち。 | 作成日時:2017年1月10日 22時