正反対な幼馴染

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作間said

あれから劇の練習も順調に進んでいる。

俺は蒼弥の彼氏役だからいつも通りの俺を演じればいいんだけど、蒼弥は女の子役だから少し大変そう。

歩き方とか喋り方が男子だからね笑。



猪狩「女子っぽくって難し〜！」

「頑張って蒼弥！」

猪狩「瑞稀先輩はあんなにあっさりこなしてるのにな〜。さすが瑞稀先輩だわ。」

「確かにね。井上先輩も橋本先輩もあんなに演技ができるとは…。」




俺がこの劇の練習でびっくりしたこと。それは先輩2人の演技力の高さとコンビネーション。

2人ともテレビに出てるプロの俳優さん並みに演技が上手い。

しかも井上先輩はガリさんと同様に女の子の役なのに、全然違和感なく演じてるんだ。


喋り方とか表情とか、もう普通にカップルじゃんって感じ。

井上先輩が橋本先輩を好きなことは蒼弥から聞いてるけど、橋本先輩もやっぱり井上先輩のことが好きなんじゃないかな…。




瑞稀「一旦休憩にしようか。」

橋本「瑞稀の演技めっちゃ可愛いね。上手いし。」

瑞稀「ありがとう。そういう橋もっちゃんもかっこいいし、上手いじゃんか。」

猪狩「ていうか、2人とも演技うますぎじゃないですか！？」

橋本「ああ、そりゃ当然だよ。」

作間・猪狩・那須・浮所「え？」

橋本「だって俺も瑞稀も小さいころやってたし。」

作間・猪狩・那須・浮所「？？？」



橋本先輩の言ってる意味がまるでわからない俺たち4人。



瑞稀「橋もっちゃんはいつも言葉が足りない。」

橋本「ごめんごめん。えっとね、俺も瑞稀も小さいころから芸能事務所に所属してたんだよ。」

作間・猪狩・那須・浮所「え〜〜〜！！！！！」



衝撃の告白をあっさりと…。


那須「どういうこと？2人って芸能人なの？」

浮所「突然すぎて頭が…。」

瑞稀「俺も橋もっちゃんも小学生の時に子役として少し出てただけだよ。今は普通の高校生だしね。」

橋本「瑞稀はその時から可愛かったからよく女装させられてたよな笑。」

瑞稀「いうな！！」



だから瑞稀くんは女の子の動きがスムーズにできてたのか…。

確かにプロだったわけだし演技が上手いのも納得。



「でも、なんでやめちゃったんですか？」

橋本「普通の生活がしたかったからだよ。」

瑞稀「2人で話して決めたんだ。普通の学生になって、普通の生活をしたいって。」

「何か嫌なことでもあったんですか？」

橋本「それは秘密。」



きっと何かあったんだな。

声と言葉で全員がわかった。

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