＊シロの研究者 ページ8
A「ッッ！！！」
目の前の光景が受け止めきれずに呆然としている所、突然背後から声を掛けられ、悲鳴を上げかける。
「そんなに驚かなくても良いだろう？」
そう言って男は下卑た笑いを浮かべ、白衣を揺らした。
研究者。
思い出したくもない嫌な記憶が蘇り、目の前が真っ赤に染まる。
コイツは敵だ。
気が付けば、俺は馬乗りになり、奴の首を両手で締め上げていた。
「ぐ…っ、か、は…っ！ふ、ふふっ、…そうだ、ったな、こいつは随分と、反抗的な、奴だった…！」
口から泡を吹きながらも、奴は素早く自身のポケットからリモコンを取り出し、ボタンを押す。
その瞬間、今までに感じたことのない程の頭痛が俺を襲った。
A「ッ！！う、あ"あ"ああぁああぁ！！！」
痛い、痛い、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い！！！！！
無意識に奴から手を離し、自分の頭を抱え、床に蹲る。目の前がチカチカして砂嵐のようにザラつく。息が出来ない。苦しい、苦しい、痛い。
A「うえ"ッ！！ゲホッ、おえぇ…ッ」
堪らず胃の内容物を吐き出した。
ひゅーひゅーとか細く息をしてはまた痛みに吐き、激しく咳き込む。それの繰り返し。
A「ぇ、ゲホッ！はっ、はあっ、」
「全く…忘れたのかい？君を作るときに君の脳には特別な信号を出すチップを埋め込んでおいたことを。…って、その状態じゃ喋れないか。」
頭を抱え床に倒れ込み、過呼吸のような息をしながら、耐え難い頭痛にのたうち回るその青年を、羽虫でも見るかのような目で見下ろしながら研究者は続ける。
「ここを見て驚いただろう？この子たちは君のデータを元に作られているんだ。 だが残念な事に君ほどの再生能力を持つ子が出来なくてね…。ちょっとマシな子が出来たと思っても人格が破綻しているし。あ、そうそう、なんでシロの国の研究者が生きてるのかって？それは簡単な話さ。逃げたんだよ。アカの国の人間はシロの国の一般人を保護した後僕たちを残らず皆殺しにしようとしたみたいだけど。まぁ大概は殺されたけどね。少数は生き残ってたんだ。ああ！これからはもっと研究が進む！こんなに早く再会できるなんて！！楽しみだなぁ〜どんな実験をしようかなぁ」
激しい頭痛に意識が遠退いていくのを感じながら、薄い涙の膜ででぼやける研究者の姿を諦観した。
耳にグルッペンと交わした最後の言葉が木霊する。
ぽろ、と生理的なものか、感情的なものかはわからない涙が頬を伝った。
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天の声 - 終わった…の…か？…(¬_¬) (2019年3月8日 0時) (
レス) id: b4078055ec (このIDを非表示/違反報告)
Karasu - 終わり…ですか？？ (2019年1月6日 18時) (レス) id: ce467b078d (このIDを非表示/違反報告)
モノクロ - 初コメ失礼します！高機能のうさぎ……天国編に出てきたうさぎかと思いましたw (2018年3月1日 21時) (レス) id: 0e94862c9b (このIDを非表示/違反報告)
てっさん(プロフ) - イメ画とても素敵です…色合いから何から何までどストライクで好きです…初コメ失礼致しましたっ (2018年1月17日 0時) (レス) id: c960d35a04 (このIDを非表示/違反報告)
サクヤ(プロフ) - ninaさん» そう言って頂けて嬉しいです！！ありがとうございます！！ (2018年1月15日 20時) (レス) id: f3b38bb195 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サクヤ | 作成日時：2017年12月23日 8時
