＊白 ページ7
扉の先は地下へと続く昇降機となっていた。それに従い、降りていく。地下に着き昇降機を降りれば、先程廃墟で見つけたドアと全く同じのものを見つけることができた。そのまま中に入る。
A「……なん、だよ、ここ…」
足を踏み入れるとそこには、真っ白で無機質な廊下が続いていた。
瞼を刺すような蛍光灯、塵一つもない不自然な床。全てが気持ちの悪い程の白で埋め尽くされているこの場所を、俺はよく知っている。
"研究施設"。
思わず足が竦み、呼吸が乱れる。嫌な汗が頬を伝い、身体が俺の意思とは関係なくガタガタと震えだした。
落ち着け、違う、あの研究施設はもう無いはずだ。本当に？自分で見たのか？いや、でも、あの国は滅んだって…誰に？誰に聞いた？違う！そうじゃない！だからここはその研究施設じゃないんだって！！疑うのか？そんな筈、嫌だ、やめて、
A「やめろ！！！！！！！！」
はぁ、はぁ、と肩で息をし、拳を強く握りしめ身体の震えを抑えようとする。歯をくいしばり、顔を上げた。
そうだ。ここはあの研究施設じゃない。それよりも仕事はどうした？グルッペン直々に頼まれたんだろう。ほら、動けよ。
無理やり嫌な考えを頭から追い出して、前に進む。相変わらず足に力は入らないままだが、ここの事は必ず報告しなければと、頬を伝う汗を拭い、足を動かした。
＊＊＊
いつも以上に神経を集中させながら探索を進めていく。が、人影が見当たらない。おかしい。これだけ機械が動いているのに無人なんてことはあり得ない筈だ。
一際大きな扉の前でその事について考えてみたが、残念ながら何も浮かんで来ない。…まぁ、不死身な以外は人並みだし仕方ないか。と、暫くしてから諦め、自動で開いてくれる扉をくぐった。
次の瞬間、俺は信じられない光景を目にする。
途方もない広さの部屋に、水柱がいくつも立ち並んでいる。しかし、それよりも驚くべき事があった。
水柱の中には、
A「……俺…？」
白い髪に白い肌。睫毛まで真っ白な人間が、いくつもいくつも、水柱の中にいた。その顔は、あまりにも自分に瓜二つで…
「やぁ、成功例。久しぶりだね。元気にしてたかい？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 309人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「実況者」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
天の声 - 終わった…の…か？…(¬_¬) (2019年3月8日 0時) (
レス) id: b4078055ec (このIDを非表示/違反報告)
Karasu - 終わり…ですか？？ (2019年1月6日 18時) (レス) id: ce467b078d (このIDを非表示/違反報告)
モノクロ - 初コメ失礼します！高機能のうさぎ……天国編に出てきたうさぎかと思いましたw (2018年3月1日 21時) (レス) id: 0e94862c9b (このIDを非表示/違反報告)
てっさん(プロフ) - イメ画とても素敵です…色合いから何から何までどストライクで好きです…初コメ失礼致しましたっ (2018年1月17日 0時) (レス) id: c960d35a04 (このIDを非表示/違反報告)
サクヤ(プロフ) - ninaさん» そう言って頂けて嬉しいです！！ありがとうございます！！ (2018年1月15日 20時) (レス) id: f3b38bb195 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サクヤ | 作成日時：2017年12月23日 8時
